第18話 ダンジョンへの第1歩⑱
「あと二つ星級で有名な奴で言うとスタータートルかな。このセルは別に特に殺傷能力が強いってわけじゃないんだけど、めちゃくちゃ堅い甲羅を持っててそれが防具に使われることが多いんだよね。三つ星とかのシーカーはみんなこれを着けているらしいよ」
「さっきのパペットに比べるとちょっと見劣りするな」
「まぁ、あれは二つ星級最強だからね。スタータートルだって攻撃が得意じゃないといえど巨体だから、それ自体が脅威になりえるんだよね」
「なるほどな。二つ星級でめぼしいのはそれぐらいか?」
「うん。まぁ、説明し始めたらきりがないからね。大体こんなもんってことでいいと思うよ。それで次は三つ星級なんだけど、ここからはいわゆる悪意のあるセルが出始める」
「悪意のあるセル?なんだそりゃ?」
「悪意のあるセルっていうのはさっき話してたセルとは違って本能的なものじゃなくて快楽を目的としてこっちに攻撃を仕掛けてくるセルのことだよ。一番有名な奴で言うと悪魔系統のセルかな」
「悪魔なんてダンジョンで出るのか?」
「うん。さすがに三つ星級だとさすがにまだ出ないけど、五つ星級を越えてくると出てくるようになってくるよ。三つ星級では悪魔の劣化版?的な奴が出始めるんだよ。それがアイトームってやつ。これは、実は実態を持っていないセルなんだけどめちゃくちゃ厄介なセルなんだよね。基本的に三つ星級ぐらいの等級がいるところまで潜るってなるとダンジョンの中で止まることになるんだけど、三つ星級が出現する階層で寝るとこのアイトームが夢を支配しちゃうんだよ」
「夢を支配?どういうことだ?」
「うーーん、ちょっと違うけどイメージ的に言えばパペットを強化した感じかな。夢の中だからもともと変な世界だし、不自然なところもめちゃくちゃ少ないらしいんだよね。それに、もしそれに気づくことができてもアイトームの夢から逃げるのはパペットの時みたいに簡単じゃない。何か本当に衝撃的なことがないとダメなんだ」
「そんなのどうやって対策するんだよ。夢の中に侵入してくる相手に対抗するなんてもう人間のできることじゃない」
「一番の対策方法はそもそも三つ星級の階層で寝ないことかな。でも、三つ星級には相手を強制的に寝させる魔法を使うようなセルもいるから必ずできるってわけじゃないんだけどね。だからこそ、アイトームは五つ星を越えているようなシーカーからも恐れられてる。三つ星級で有名なのもこれぐらいかな。逆にアイトームが強力すぎてほかのセルがかすんでるって感じかも」
「なるほどな」
「今回はまぁ、このぐらいでいいかな。イレギュラーって言ってもほとんどは階級が一つずれるだけだからね。深いところに住むセルがイレギュラーで浅い階層に来る可能性は低いからね」
「、、、一つ聞いていいか?」
「何?」
「お前、、、なんでそんなにダンジョンに詳しいんだ?」
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