第17話 ダンジョンへの第1歩⑰
「二つ星級に分類されているようなやつが5階層までに出るのか?」
「うん、まぁもちろん個体数は少ないしフィールドの奥深くにいるからあんまり被害報告なんかはないんだけど一つ星級のシーカーが遭遇して殺されたっていう事件はもう何度も起きてる」
「それってキンググリズリーでいいのか?そこまで変わるともうそれこそ進化個体みたいに何か違う名前を付けてもいいと思うんだが」
「あぁ、それなんだけどね、どうやら進化個体とは別に特殊個体っていうのもいるみたい」
「特殊個体?」
「うん。進化個体はもう完全に違う生物って完全になっているらしいだよね。多分、遺伝子的にもうそういうことがわかるんだと思う。でも特殊個体っていうのはあくまでも遺伝子上は全く同じ生物なんだよ。遺伝子は同じなんだけど異常に発達した個体は特殊個体に分類されるらしいよ」
「なるほど、、、まぁ戦う俺たちにはそこまで関係ないか」
「そうだね。そういう難しいことは学者先生に任せるしかないし。それじゃ、次に二つ星級のセルについて説明していくんだけど、ここから先のセルは本当にレベルが変わってくる。一つ星級のセルは一般人でもがんばれば討伐することもできるんだけど、二つ星級以上はもうどうしようもない」
「そこに大きな壁があるのか」
「うん。だから、シーカーも二つ星級からは一人前って言われるようになるんだよ!二つ星級っていうともう人外に両足突っ込んでるって言っても過言じゃないからね。ともかく、そんな感じになってくる二つ星級以上はここまでとは全く違ってくる。ここから先は種類も増えるから有名どころしか説明出来ないんだけど、まず一つがパペット。これは人形みたいな見た目をしているセルなんだけど二つ星級の中でも頭一つ抜けているような存在だよ。どうも、狙いをつけたシーカーに幻覚を見せて罠に誘い込むらしい。その罠の場所には大量のパペットが住み着いてるらしくて、そこに入り込んじゃうと三つ星級のシーカーでも絶望的な状況らしいよ」
「そんなこと言われても幻覚を防ぐ方法って何なんだ?」
「一番メジャーなのは、自傷することかな」
「自傷?そんなことして大丈夫なのか?」
「うん、別に死ぬようなレベルの傷じゃなくて少し痛いと思うぐらいでいいんだ。どうも幻覚の中はちょっと違和感がある世界になってるらしくてそれに気づいて自分に傷をつけることによって目が覚めるみたい。それに幻覚は一度かかると耐性がつくのか、そこから数時間は無効化できるんだ。パペットは単純な戦闘能力で言うと一つ星級だからそうなれば勝てるってことだね」
「二つ星級になると本当に命を懸けて冒険することになるんだな、、、」
今までの俺も別に気を抜いていたわけじゃない。でもこういう話を聞くともっと緊張感をもって戦わないとだめだとわかる。
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