第16話 ダンジョンへの第1歩⑯

翌朝、いつものようにコーヒーを飲んで過ごしているとやはりこちらに何の断りもなくドアが開き、光狩が侵入してきた。ただ、昨日と違うのはダンジョンに行くときのような適度に動きやすく、ペラペラでもない服でないことだ。


「おはよ」


「おはよう。今日はダンジョンに行かないのか?」


「うん。今日は蒲田ダンジョンのことを説明しようと思ってね。楽しみにしている来宝には悪いけど座学がメインになるよ」


「別に楽しみにしているわけじゃないが、、、蒲田ダンジョンの説明って何をするんだ?別に今困っていることはないが、、、」


「いや、確かに今困っていることはないと思うんだけどこれからどんどん深い階層に潜っていくわけじゃん。そんな中でいつかはイレギュラーに会うときも来ると思うから、今のうちに蒲田ダンジョンに出現することが確認されているセルを全部知っておいた方がいいと思うんだよね」


「、、、すまんがイレギュラーってなんだ?」


「あれ?説明してなかったっけ?」


「初耳だ」


「マジか、じゃ、それを含めて話すね。まずイレギュラーっていうのは普段その階層にはいないであろうセルが出現することを言うんだけど、これの厄介なところがイレギュラーで出るセルはそのダンジョンにいるセルなら何でも可能性があるってことなんだよね」


「つまり、極端な話第1階層で十つ星のセルが出ることもあり得るってことか?」


「まぁ、理論上はそうなるね。さすがに今までそこまでの事例はなかったみたいだけど第5階層に八つ星級のセルが出現したことはあるらしい」


「八つ星級?そんなの出たらどうしようもないな」


「そうなんだよね。さすがにそこまでのクラスの奴が出てきちゃうとどうしようもないけど自分の一つ上の階級のセルとかなら弱点とかをしっかり知ってれば倒せる可能性もある」


「だからこそそのダンジョンにいるセルを確認しておくことが大事ってことか」


「うん、そういうこと。それじゃ、早速説明していくね。まず一つ星級からだけど実はまだあったことがないセルは一つ星級だと3種類しかいないんだよね。まず一つがフォレストウルフリーダー。これはフォレストウルフの進化個体で通常のやつよりも戦闘力も統率力も上がってるから、シーカーの一つの壁らしいよ。二つ目がキラーマンティス。これは巨大なカマキリなんだけど基本的に群れじゃなくて単独で行動してるからそこまで厄介じゃないらしいよ。ただ一つの個体って考えると一つ星級でも最強って言われているから油断は禁物だね。そして最後がキンググリズリー。これも基本的には単独でしか行動しないんだけど、極まれにキンググリズリーの中でも強力な個体が群れを作ることもあるしくて、その群れを作るキンググリズリーの特殊個体は二つ星級に分類されているぐらい強いよ」

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