第15話 ダンジョンへの第1歩⑮
俺たちは毛皮と煌石を持ってダンジョンの外へと向かう。その道中でもシーカーのパーティーをいくつか見る頃ができた。どこもそこまで熟練のパーティーといった感じではなかったが、安定して獲物をしとめていた。やはり、基本はセル一匹に対して2人から3人といったところなのだろう。
ともかく俺たちはダンジョンの外に出ると装備を返して煌石を売ってしまう。昨日よりも少しは収入が増えていたがさすがにまだこれだけで食っていけるようなレベルではない。そのあと俺たちはすぐにギルドの1階に併設されている加工屋に毛皮を持って向かう。
そこは武器貸し出し所とはまた違った雰囲気で武器などが壁に掛けられており、加えて何かの素材なのであろうよくわからないものも置いてある。
「加工屋へようこそ!本日はどのようなご用件でしょうか?」
「この毛皮で2人分のマントを作ってもらいたいんですけど、大丈夫でしょうか?」
「はい!この量があれば十分作ることができます。ではお二人の採寸を図りたいのでこちらに来てもらってもよろしいでしょうか?」
俺たちは加工屋の奥にある個室のようなところに連れていかれると体をメジャーで測られる。その際、光狩も上半身の服を脱いでいたのであいつの体を見たがそれはすごかった。まるでアスリートかのように筋肉がついていて盛り上がっていた。普段はそこまで薄着の光狩と会うことはないので、わからなかったがとんでもない。
「あれ?俺こんなに筋肉ついてたかな?」
「増えたんじゃないか?」
「うーーーん、特に運動とか体を鍛えていたわけじゃないんだけどな。まぁ、筋肉がついていればそれいっか」
どうやら光狩もここまで自分に筋肉がついているのは意外だったらしい。俺には筋肉がついた経験がないのでそういう感覚になるのかわからないが、違和感を感じないものなのだろうか?
「ありがとうございます。完成は3日後になります。その際、代金はお支払いください。それではお疲れ様です」
採寸も完了したので俺たちは加工屋から出て家へと向かう。
「これからどうする?このまま第2階層である程度狩りを続けるか?」
「うーーん、そうだね。急いでもそんなにいいことないだろうし、まずはここで体を慣らしてから下の階層に向かおうか。、、、それにしてもあんなに嫌がってたのにもしかしてダンジョンのことが好きになったのかな?」
「なっ、、」
「いや、別に悪いことじゃないと思うんだよ?事実来宝は無職なわけなんだからなんとかお金を稼ぐ手段を見つけることができたみたいで親友としてもうれしいよ。、、、でもあんだけ嫌がってたのにこの変わりようって、、、面白いね」
光狩がマシンガントークで煽ってくる。俺はどうにか顔面にこぶしを叩き込みたくなる衝動をこらえながら足早に蒲田駅に向かう。
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