第11話 ダンジョンへの第1歩⑪

俺たちは少し歩いて下の階層へとつながるという階段の前にたどり着いていた。階段は自然があふれているこの階層には似つかないあまりにも人工的で近未来的な見立てをしており、下は暗くなっており見えない。


「一応、降りる前に下の階層のセルを確認しておくか?」


「そうだね。万が一があってもいけないしそうしよう!次の階層、第2階層はここと同じように森がフィールドになっているよ。そこで出るセルは2種類。ゴブリンとフォレストウルフだね。フォレストウルフは群れで狩りを行う狼だよ。現実にいる奴よりも体が大きくなってて大体1m50cmぐらいあるらしい。それにそこそこ頭をも回るらしいから注意が必要だよ!それでもう一つがゴブリンなんだけど、、」


「ゴブリンっていったらさっき戦ってたやつだろ?それならわざわざ説明する必要もないんじゃないか?」


「そう思うよね。実はあのゴブリンなんだけど進化していくんだよ」


「進化?なんだそりゃ?」


「詳しいことはまだわかっていないらしいんだけど、長い年月を生きていくとどんどん体が変化していくみたい。そしてその最たる例がゴブリンなんだよね。次の階層で出るのはゴブリンソルジャーっていうやつなんだけど、こいつはさっきのゴブリンよりも戦略的に動くようになるし、そもそもの身体能力も上がるらしい」


「なるほど、セルも人間と同じように成長していくってことか」


「うん。しかも、ゴブリンってこれだけじゃなくてもっともっと進化していくんだよね。今人間が狩ることができる最高ランクの8つ星級にもゴブリンの進化がいるらしいよ」


「それな進化するのか、、、」


「だから、これからゴブリンがいても油断しないようにね」


「あぁ、わかった」


「それじゃ、説明も終わったとこだし行こうか」


俺たちはやけに人工的な階段を降りて第2階層に向かう。


そこは第1階層とまったく同じ光景が広がっていた。、、いや、正確に言えば目の前で戦っているシーカーたちを除けば全く同じ光景だ。


なんだかんだ言って今まで同業者たちの狩りを見る機会はなかった。彼らはそれぞれがきちんと連携を取りながら全員で一体ずつ相手にしている。戦っているゴブリンも統率が取れている行動をするためその戦闘はまるで戦場のようだ。


「俺たちって今まで同業者のことを見てこなかったが、なんでなんだ?」


「それはね、第1階層の稼ぎが本当によくないからだよ。ここに比べると一体一体の煌石の価格も低いし、そもそもセルの数が少ないから獲物が少ない。だからほとんどのシーカーたちは第1階層を最初から飛ばしてここで戦うらしいよ」


「それって、危なくないのか?」


「いや、危ないよ。実際、この階層では人が死ぬことだって珍しくないらしいし」

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