第6話 ダンジョンへの第1歩⑥
光狩が喜々としてゴブリンの群れに突っ込んでいくのを見ながら俺はその場で肩にかけていたライフルケースから武器貸し出し所で借りてきたスナイパーライフルを取り出すと地面にバイポットを立てて構える。
今回借りてきたのはスナイパーライフルでもL96A1というもの。この銃はイギリスの陸軍で使われている命中精度の高い一品になっている。
俺はスコープをのぞき込んでゼロイン調整をして、ゴブリンの頭に標準を合わせる。フッと息を吐きだしてから俺は銃の引き金を引く。ゴブリンの頭に向けて放たれた弾丸は喜々としてゴブリンに突っ込んでいく光狩の隣を通り過ぎるとそのまままっすぐにゴブリンの頭に吸い込まれていく。
銃弾がゴブリンの頭に直撃するとゴブリンの頭はまるでスイカのように吹き飛ぶ。
俺はそれを見届けると次のゴブリンの頭に標準を合わせて引き金を引く。先ほど同じようにまっすぐに頭に吸い込まれた銃弾はゴブリンの頭を吹き飛ばした。次の奴に狙いを変えようとするとようやくゴブリンの元へとたどり着いた光狩がゴブリンと剣戟を繰り広げていた。
それを見た俺はスコープから目を離すとバイポットを折りたたんでライフルケースへと入れて、光狩の元へと向かう。
光狩は数匹のゴブリンが持っている剣とはお世辞にも言えないぐらいぼろぼろの物と激しい剣戟をいまだに繰り広げている。
光狩の近くでその剣戟を眺めているとようやく一体のゴブリンの頭を跳ね飛ばした。それで戦闘のバランスが崩れたのかそこから少しの間に残っていたゴブリンの頭をすべて跳ね飛ばすと光狩は思いっきり横たわる。
「疲れたー!」
「お前、意外とちゃんと戦えるんだな」
「そりゃ、イメトレを重ねてきたからね!このぐらいは余裕よ!」
「余裕はさすがに言いすぎているとは思うが、、、イメトレでできるようになったのはすごいな」
こういうのってイメトレでもできるようになるようなものなのだろうか。俺は運動神経がないんじゃないかと思うぐらい運動ができないのでわからない。
「そんなこと言ったら来宝もやるじゃん!いきなりゴブリンの頭が吹っ飛んでびっくりしたよ!」
「まぁ、俺はアメリカまで行って実銃の取り扱い方とか学びに行ったからな。あのぐらいはできる」
「それでもすごいよ!もしかして、俺が誘わなくてもダンジョンに行こうと思ってた?」
「んなわけないだろ。俺は家で自分のエアガンを眺めて過ごす時間で満足だ。とりあえずセルを解体するぞ。どこが売れるんだ?」
「確か、心臓の近くにある煌石ってやつだったと思う」
「それしか売れないのか?」
「まぁ、ダンジョンの一番浅いところで狩れるセルだからね。こんなもんだと思うよ。逆に深いところにしかいないようなセルだと全身が売れる奴もいるらしいし」
「まぁ、そういうもんか。それでどうする?まだ狩りを続けるか?」
「うーーん、まだ体力も問題ないし一回スライムと戦ってみたいんだけど来宝は大丈夫そ?」
「俺は問題ない」
「それならスライムとやってから帰ろう!」
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