第5話 ダンジョンへの第1歩⑤

俺たちは借りた武器を肩に背負うとダンジョンの入口へと向かう。


ダンジョンの入口には頑丈そうな金属でできた柵のようなものが張ってありその手前にダンジョンに入るための受付のようなものがある。


俺たちはそこに自分のカードを出して柵を開けてもらうとダンジョンの中に足を踏み入れる。ダンジョンの中に入るとそこはありふれた森といったような見た目をしており、特に一目でわかるような異常はない。ただダンジョンの中に入った瞬間に何かが自分の中に入ってくるような感覚を覚える。おそらくこれがスキルとやらなんだろう。


「ここではどんなセルが出るんだ?」


「ネット調べた感じだとゴブリンとかスライムらしいよ。どれも一つ星級のセルだね。でもここで亡くなった人たちもいるらしいから油断はできないけど、、、」


「ともかくそのゴブリンとスライム?とやらを早く見つけるぞ。俺は早く銃が撃ちたい」


「そんなに急がなくても大丈夫だよ。どうせいつかは見つかるし。そんなことよりも来宝のスキルは何だった!?」


「そのスキルとやらはどうやって確認するんだ?」


「頭の中でスキルについて考えるとわかるはずだよ」


俺は光狩に言われたように頭の中でスキルについて考える。すると頭の中にボードのようなものが浮かび上がってくるような感覚を覚える。そこには自分のカードの書かれている情報が書かれている。そしてそのボードの下にはスキルの欄がある。そこにはただ『夜』とだけ書かれていた。どのようなスキルなのか説明を読もうにもどうやっても見ることができない。


「スキルの名前についてはわかったんだが、そのスキルの説明はどうやって読むんだ?」


「え?普通にスキルの隣に書いてあるはずだけど、、、」


「俺のやつには書いてなかったぞ」


「うーーん、それは俺にもわからない。まぁ、ダンジョンから出た時受付の人に聞こう」


「それもそうだな。それでお前のスキルは何だったんだ?」


「俺のスキルはね『闘気』だよ!」


「ほーーん、それで効果は?」


「戦闘中に自分の身体能力に2パーセントのバフがかかって相手の身体能力に2パーセントのデバフがかかるみたい。しかも、戦闘になった瞬間に自動発動!」


「それ、、、よくわからんがぶっ壊れってやつじゃないのか?」


2パーセントと聞くと小さく感じるかもしれないが、身体能力において2パーセントは大きい。このスキルだけで特に近接戦闘では相当の強さを発揮できるはずだ。


「確かに強いとは思うんだけどね、、、、どうせなら魔法みたいな派手のやつが欲しかったな~」


「そりゃ高望みってもんだろ。俺のどんな効果があるのかわからないスキルに比べたら遥かにいいスキルだ」


「わかんないよ。もしかしたら来宝のスキルのほうが壊れてるやつかもしれないし」


「まぁ、十中八九そんなことはないと思うが、、、」


「あっ、あそこにゴブリンの群れがいる!戦いに行こ!」

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