第4話 ダンジョンへの第1歩④

受付嬢が橘を追って部屋から出てから少ししてから俺たちも外に出る。


「あの橘ってやつ、あまりにも講習会に連れてくるには不向きな人間じゃないか?初手からあんなに不愛想にしかも脅す必要なんてないだろう」


「うーーん、でもダンジョンにゲーム感覚で挑んで致命傷を負う人もいるみたいだからね。あのぐらいがちょうどいいじゃない?」


「まぁ、そりゃそうかもしれんが、、、」


そう話しながら俺たちはギルドの受付へと向かい、カードを発行してもらう。どうやらこのカードの中に自分のシーカーとしての情報がたまっていくらしい。詳しい仕組みについてはよくわからんが。


「それじゃ、早速ダンジョンに行こう!」


「ちょっと待て、俺たちは今手ぶらだぞ?武器はどうすんだ?」


「あっ、忘れてた。確か武器はギルドで借りることができるはずだけど、、、」


光狩の言葉につられて周りを見渡すと武器貸し出し所という案内看板が見える。


「あっちみたいだな」


「そうだね」


武器貸し出し所の中に入るとそこには剣や、槍、そしてお目当ての銃まで様々な武器が壁に掛けられており、こういうのが好きな人にはたまらない光景になっていた。


「武器貸し出し所にようこそ!ご利用は初めてでしょうか?」


「はい、そうです!」


「それでは説明させていただきますね。ここではダンジョンから発見され、ギルドが買い取った武器の一部を借りることができます。また、もしその武器を買い取りたいとなった場合は買い取ることもできます。それでは現在貸出可能な武器はこちらに表示されてますので、ご覧ください」


そういって受付嬢に渡されたタブレットには武器の見た目やスペックなどが載っていた。どうやら武器を借りるには料金が発生するようで大体1000円から3000円ほどかかるようだ。中には1万円を超えるようなものもある。


「来宝はどうで銃にするでしょ?」


「どうせとはなんだ、どうせとは」


「それなら俺は近接戦闘できるものにした方がいいよね」


「まぁ、バランスを考えるのならそうなるな」


「それじゃ俺は、、、これにしよっと」


タブレットには二振りの剣が表示されていた。しかも、長刀と短刀といった組み合わせではなくまったく同じ大きさをしたものだ。俗にいう双剣ってやつだろう。なかなか変わり種に行ったな。


「それじゃ、次は来宝のやつ」


光狩からタブレットを受けとり、まず銃のラインナップへと向かう。銃と一言で言っても様々な種類がある。近距離を主に戦うピストルから直距離の狙撃を行うためのスナイパーライフルまでたくさんある。その中でも俺が選ぶのはやっぱりこれだろう。


「決まりましたか?」


「はい、これと、これをお願いします」


「かしこまりました。少々お待ちください」


受付嬢はそういうと俺たちが借りることにした武器をそれぞれ持ってくる。


「こちらでお間違いありませんか?」


「はい、問題ないです」


「それではお二人の活躍を心から祈っております」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る