第2話 ダンジョンへの第1歩②
俺たちはそのまま特に何も用意することなく家を出るとそのまま最寄り駅に向かい、電車に乗って京急蒲田へと向かった。
駅から出るとそこは特に依然と何か変わったような様子は見受けられなかった。強いて言うのなら昔よりも人が多くてさらににぎわっているところぐらいだ。
「それで、そのダンジョンってのはここからどのぐらいの場所にあるんだ?」
「確か、こっからJR蒲田のほうに歩ていくと見えるはずだよ」
光狩に言われるがまま歩いていくと一区画だけ明らかに他と雰囲気が違っている場所が見えてきた。周辺には警察の制服を着た人たちが立っており物々しい。
「あれがダンジョンってやつか?」
「多分そうだと思う」
「それでダンジョンってのはいきなり入れるものなのか?こんなに警戒態勢を敷いているのにそれならまったくもって意味がないと思うが」
「ダンジョンに入るにはギルドの講習会ってのを受けないとダメみたいだよ」
「そのギルドってのは何なんだ?」
「ギルドっていうのはね、ダンジョンを管理している国家機関の一つらしいよ。ダンジョン内で回収された素材なんかもそこが流通を管理しているみたいだね」
「なるほど、、、それでお前のその情報はどこがソースだ?」
「このサイト!」
そういって光狩がスマホを見せてくる。そこにはtheブログといった感じの背景につらつらと文章が書かれていた。
「、、、まぁ、そこまで信用できなさそうなやつじゃないし大丈夫か」
「そんなことよりも早くギルドに行こ!」
光狩はそういうと俺の手を引いてギルドの中に入っていった。
外見は特に変わっているような感じはしなかったが、中はすごかった。全面が大理石のようなもので作られており、天井には何かの絵が無数に書かれている。この写真を見せられて、ヨーロッパにある有名な教会の中だよ、と言われた思わず信じてしまいそうなほどよくできている。
そんな中を光狩どんどん歩いて、カウンターのようなところに向かっていく。
カウンター中ではいわゆる受付嬢といわれる女性たちがあわただしく動き回っていた。
「本日はどうされましたか?」
受付嬢は人懐っこい笑みを浮かべながらそう光狩に話しかける。
「ダンジョンに入るために講習会を受けたいんですが、どうしたらいいでしょうか?」
光狩がいかにもできる会社員といった感じで丁寧に受付嬢に尋ねる。こいつのむかつくところはこうやってちゃんとできるところだ。馬鹿なのに、、、、。
「それでしたらちょうど10分後から2階にあるミーティングルームで行われることになっていますよ」
「ありがとうございます」
光狩は丁寧にお辞儀するとこちらへと小走りで帰ってくる。
「10分後から2階でやるって。早く行こ!」
光狩はそういうと俺の手を取って2階へと続く階段を駆け上がった。
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