友達の心霊体験
久石あまね
肝試しはするな
大学の頃、友達との間で怖い話が流行った。
その中で中部地方、あえて県名は言わないが、そこの県の友達の話が一番怖かった。
どんな話かというと、その友達の名を仮名(山田勇気)とする。山田は高校の時、めちゃくちゃなヤンキーだったらしい。乱闘をしたり、バイクを乗り回しては警察に補導されるの毎日だったらしい。
ある日、その友達は度胸試しをしようということで、ヤンキーの友人らとある鉱山跡に夜探索に行くことにした。街からバイクで一時間ほどの山の中だ。現地に到着するとあまりにも暗くて驚いたらしい。街灯も何もなく、真っ暗で虫の音しか聞こえない。山田らはスマホのライトを照らし、鉱山の坑道に入っていった。その時、山田は何も感じなかったらしい。だいたい30分ほど滞在して、数枚写真をとって帰ってきたらしい。そして帰りに友達の家で、夜鍋をした。鍋をしていると一人の友人が急に眠りたいと言い出した。そいつは倒れるように眠った。それから一時間ぐらいたって、その寝ている友人がふにゃふにゃと独り言を言い出した。周りの他の友達らはそれを聞き笑い声をあげた。山田も笑った。山田はその寝ている友人に近づきよく独り言を聴くと、日本語ではないことに気づいた。それは明らかに中国語だった。これはとんでもないことだと山田は思った。そしてスマホでさっき行った鉱山跡を調べると、どうやら戦中落盤事故があったらしい。そこで中国人が犠牲になったことが書かれていた。山田はその時の中国人の魂がその寝ている友人に移ったということに気づいた。安易に肝試しには行かないほうがいいだろう。
友達の心霊体験 久石あまね @amane11
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