#まさか仕事に、逃げられるとは

STORY TELLER 月巳(〜202

#まさか仕事に、逃げられるとは

#まさか仕事に、逃げられるとは


【storyteller  by  Tukimi©︎】


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傷のない身体。


見た目機能ともに全く問題ないはずが、眠れない身体、思う通りにならない身体。


役立たずで世界から要らないからと、いっそ一思いに抹消されたい。

人が周りにいない時に、繰り返しそう考えてしまう。

今なら、自分1人世界から消えても、誰も困らないんじゃない?なんて。



レースカーテンが揺れて、風があるらしい。

顔を向けなくても。

光が刺しては引っ込み、雲と太陽の攻防をお知らせしてくださる。

顔が感じる、眩しさに瞼を動かすとまだ生きていると思い出すが。


最近は来訪者が減ってまた、希薄。

だけど、来たら来たらで、心が激痛。

誰も、皆、役立たずなんて直接言いはしないけど。


大丈夫、そうだ。

と勝手に思って安心して、同じ事を言い帰る。


『待っているから』

『元気になってからこの先また、考えたら良いさ』

『頑張って、早く復帰しろよ』

『お前なら、大丈夫だ』



欲しい言葉は一つもない。

擦りもしない。


一番、死にたい時、気持ちが一線を越えそうな時は側にいない人たち。

喋り返せないから、自分に、一方的に話して去る人に。


話すだけ話したい、のな。

そう、息継ぎする間も、なく話しまくり、相槌を打つ間もなく。

濁流のように、言いたいことだけ言うと、飲み物を飲んだり。じゃあと。


帰る人たち。


ともに働く時は気にならなかったけれど。

会話が苦手だと悩んだ同僚たちは、皆揃いも揃って話を聴けない人、たち、だったかと。


相手の話を聴いて、返す意見を聞いても。

また、同じ主張を繰り返し再生した人から、

僕への、意見の感想も、もちろん、ねぎらいもなく。


記憶にあるのは、なぜ出来ない、言った通りにやらないと、唾散らして怒る顔。


馬鹿馬鹿しいほどに、仲良くしたはずの人間、ほとんどが周りに人が居なくなると。


今まで自分は、何年も身にならない無駄働きをしたかのようで。

自分が居なくても、自分以外、他人も会社も世界も上手く周り回ってることが、自分要らない感を実感させる。


他の誰かがいるなら、要らない?

自分は。

壊れた部品は新しいに替えて、壊れた部品は捨てるだけ。




したい事がしたい結果に結びつかない事なんて、知っていた。

部活動で、表彰受ける人。

体育祭文化祭で優勝、一位を取れる誰か、自分以外の人や団体。


張り出された、中に名前が上がる成績優秀な他の人。


何かとりわけ出来ず、だけど、欲しくて、人より縋りついて来た、努力が見える成果にならない学生生活は辛かった。


だからさ。

営業成績として。

結果が見てわかる数字で出る仕事をした。

数年働いて、自分のお金でアパートを借りた。


このまま働けていたら、安心。

人間とはうまく行きにくいが、お金あればさ。

お金を借りる、相手、例えば親に頼り、親が面倒みてるんだから、その分期待に沿う羽目を外さない、生活としろ言うお金の関係故に、合わないルールを押し付けられる。


学生の頃の、理由が分からない校則みたいなのを、大人になってまで、したいか?


自由は、自分1人暮らししないと、無かったから。

お金貸し借り、にまつわる上から目線の押し付けは、働けたら大丈夫。

もう、自由となるはずだったし、だからこそ。



しっかり仕事して。

離さないように、皆に求められるように。

大好きと、働いた。


ただそれだけは、自分でも得られる、作れる幸せな未来、の、はずが。

モテるだの、幸せ結婚とか、夢叶うとか。

あらゆる、手に入らなかった他の幸せはいらないから、どうか安心住まいと収入をと願っていた。


それは手に入った、ように見えたけれど。



まさか。

全て。何もかも。

最後の砦、命綱な。


仕事にまで逃げられるとは思って無かった。

そう、残ったのは。



「久しぶりです、お邪魔しますよ先輩」

昔の部活の後輩。


挨拶して。

庭の花だと、持って来た物を花瓶に生けて。

本一冊読んで帰る。

読みに来ている、だけ。


だけど。

月一、定期的に来てくれる、かつ。

元気出せだの、要求もなく。

無闇に、大丈夫と根拠なく言いもせず。


会いたいから来たと言う人がまだ残されている、今。

懲りなく、まだ世界に求められて居たいと思ってしまうくらい。


僕はやっぱ生きたいな。

存在意味があるように。




-お仕舞い-


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【後書き☆ある、書いた日の今宵の話を】


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よく聞く恋愛うまくいかないと言う人。

その話にある、彼氏のこと一時も考えずにいられないだとか。

全てを知りたいだとか。

思うようにやり取り、返事を振る舞いを返してくれないと言い、欲しいが返らないを愛がないとか、足りないと話していて。


恋愛ないと、恋人ないとイキイキしないと言うそこに、ある意味命懸ける様子は、恋愛に重きがない私には申し訳ないが命懸け真剣さをかけるそんな必死さを持てないと、思い。



だからこそあまり、人の恋愛話には共感できずだったけど。


ある意味、あまりの執着束縛したい気持ちの重さから逃げる、かつての恋人みたく。


私は私にとって大切な楽しみであり生きがいかつ。

自由を選ぶための最低条件、仕事と収入。

これに、自分がどれだけ寄りかかり、執着し、握りしめようと手を伸ばす度。


掴めない、なんて。


いやあ。

執着すると、人は逃げるのを知っていたけど。

まさか仕事に逃げられるとは、と。


今、まさに、驚いたので。

シチュエーションは変えながら。

小説に仕立て直しました。


と言うわけで。

私の体験は感想は話の下敷きにありますが。

体験感想はネタ。

ネタを料理したら、小説、と言う事で。



あくまで、創作、フィクション、です。


今回の話を読みいただきし貴方様には、

心からのありがとうございますと、うっかり執着して、したものに、逃げられない様に。


それは、

喧嘩せず、音信不通でもなく、無礼でも、馴れ馴れし過ぎもない、適切な距離感で。


大切なものと大切にしあう関係。

を、皆様皆、築き会えます様に。

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