本編
X時間後、5分後にプロポーズが始まる喫茶店現場。
忍者はもうX時間もトイレで粘っていますがなぜなのだろうか。それは真昼のことだった。
「おい、敵のZ忍者が襲来してきたらしい。あのカップルを狙っているぞ」
どのカップルなんだろ?
「あ、あの、どのカップル——」
電話は切れた。
「ちくしょ〜!」
こうして忍者は、とりあえず目に映ったカップルに突進していった——。
「結婚しよう」
男はダイヤを見せた。若い女が頷く——。男が心待ちにしていた瞬間が、訪れるコンマ数秒前に。
「ちょっと待った〜!」
おっと、忍者ここで登場!
「え、あんたたち誰っすか」
未来の新郎が驚く。
「あー、あのやつはね、朝からココア一杯とコーヒーで粘ってたんだよ」
マスターが説明する。
「え、なんでココア?」
未来の新婦が目を丸くした。
「さぁ……」
マスターは首を傾げた。
忍者は今か今かと焦ったそうに出番を待っている。
風鈴が鳴った。
「忍者だぞ〜 おい〜 俺は〜 忍者だ〜 立派な〜」
泥酔しているZ忍者が入り込んでくる。朝からの忍者が撃退する前にマスターが蹴りを入れた。
「うお」
倒れているZ忍者の前で、ドアは閉まっていく。
「うちは泥酔お断り! 読みましたか規約!?」
マスターが激怒している。
朝からの忍者は一瞬の出来事に驚いた。
「……あなたは……」
「ああ、私は柔道黒帯なんですよ。あ、大阪オリンピック見ました? 80km級、佐野圭介。あれが私なんです」
マスターはいつも通りの穏やかな声に戻っていた。カフェにはいつも通りの平穏な空気が流れ始めた。
告白3秒前! 3、2、1、ちょっと待った〜! 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel
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