白い箱に閉じ込められていることに気がつく少女。 箱の中に現われたスクリーンは少女に様々な指令を出し「3日後には死にます」と繰り返します。 この物語は、何かの暗示か、寓話か――、恐ろしい設定なのに、どこか童話のような不思議な雰囲気が恐怖を凌駕してどんどん読み進めていました。 引きずり込まれるように読まされる、考えさせられる物語でした。 最後の解説を読むとこの話の深さがわかります。 読まずに、感じたままのストーリーを楽しむのもアリかと思います。
話の内容以前に、非常に綺麗な描写をするなという印象を受けました。一目ではよく分からない不思議な世界観との相性も良く、というか綺麗な描写でないと恐らく成立しないでしょう。自分も謎の白い空間に閉じ込められたように引き込まれます。生き方を教えられない教師というのが、個人的に最も風刺を感じました。
自分の死と向き合うことになった少女のお話です。読んでいると、死や生というものについて色々と考えさせられます。
強烈な『死』への疑似体験です。でも、それはすごく……生きることは囚われることかもしれませんね。