妖鬼が行くダンジョン冒険譚

第2話

まさか、二十歳になってステータスが覚醒するとは、思わなかったなぁ。

ステータスは、3年前に起きた魔災によって大きな被害を出した政府が苦肉の策として発表した情報だった。ダンジョン内に確認されている未知の物質である、魔素と呼ばれるものによって齎された恩恵とも厄災とも言える現象で、ステータスに覚醒すると、通常の人間とは比べものにならない程の力を手にすると言われている。

また、大体の人間では15歳程度の年齢で覚醒し、俺が15歳の時に受けた検査では覚醒の見込みはないと言われていた。

「ステータス」

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名前　新月（あらつき）　幻夜（げんや）

性別　男

種族　人族(妖鬼)

位階　1

固有スキル<妖鬼> <鬼眼(術識)> <武装顕現>

スキル　<刀術> <体術>

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通常、ステータスが覚醒した場合は、今まで経験してきた事がスキルとして現れやすいと言われており、固有スキルなど一つでも持っていれば一生安泰に暮らしていける程の待遇で持て囃されるようだ。

また、位階は誰でも最初は1から始まり、モンスターを倒すと位階の上昇が起こり、身体能力や魔力の向上、スキルの獲得などの恩恵を齎す。他にも魔力などは、日頃の鍛錬などでも増やすことは可能だが、位階上昇時の増加に比べると微々たるものだ。スキルには、レベルなどといったものはないが熟練度によって強くなっていく。