第22話 『最終回』


 赤血探偵とぼくは、町に戻った。


 レストランは、破壊されてはいなかった。


 ただし、草原のど真ん中に大きな穴が空いていて、その下には、不気味な配管みたいなものがはい回っていた。


 探偵は、まっこうから当局に通報し、マスコミにも情報を流した。


 さすがの地球当局も、ほっとけなくなった。


 翌日から大規模な捜査が始まったのである。


 不思議なことに、あのヒト食い植物は、すぐに枯れ始めたのだ。


 当局の中枢は、そんなものには興味はないかもしれないが、興味のある人たちもいたらしい。


 内部調査も開始されたと聴く。


 『まあ、首謀者なんかは、永遠に解らないさ。あのマスターは、利用されてただけだから、あれだけでも十分な罰になるさ。あのシステムは、どうせ、あやふやにされるがね、暫くは利用されないだろう。ばっちり写真も流したし、マスターの証言も公開した。さらに、ぼくは、内部システムも透視させてもらったが、そいつは、保険に取っておく。ま、役得だね。依頼者もそれ以上は希望していないし、地球当局も、被害者みたいなものだし、仕掛けた連中は、残念ながらぼくたちの手が届くやつらではない。まあ、報復はしてこないさ。ばかばかしくてね。それに、もうひとつ、もってきたんだ。これ。調理場にあった、運用許可証。』


 それは、大きなバッジみたいなものだった。


 『読めるかい? こいつは、なんと、古代日本語だよ。』


 『さて、漢字ではないし、なんだいこれは?』


 『えいぎょうきょかしょう。やまと・いこく。とある。ただし、この文字は、アガボドロ語だよ。』


 『やまといこくって、なんだ?』


 『さあ? 謎が増えただけだがね。』


 『取り返しにこないかな。』


 『ぼくは、来てほしいんだ。だから、持ってゆくよ。』


 『どうぞ。ぼくは、やはり、何度も食べられたわけかな? コピーの、コピーかな? それに、依頼者って、だれですか?』


 『ああ、そうだねえ。気になるのは当然だが、しかし、いまは、きみが生きているんだから、それを大切にするしかない。つぎは、再製されないからね。依頼者は、実は、地球政府のあるお偉方なんだけど、リストラされてね。ははは。探偵が一番だよ。』




   😚😚😚😚😚😚😚


 

       おわり




       🐨













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『楽園にて』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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