第21話 『楽園にて』 その6


 『ボスには、会えないな。おいらだって知らないんだ。地球の大将でさえ、知らないだろ。地球人類が現れたときには、もう、地球を管理していた連中だよ。ジラ、とかいう連中だ。ただし、ジラの本体ではなくて、分家らしいがな。ワケジラとかだな。あんた、探偵だな。警察や秘密警察ではない。めつきが違う。いやらしい目だ。』


 『よく見抜いたな。ぼくは、宇宙探偵、イグナツ・フランツ・アカチ・アマル・ガリスト・シャーベット。通称、あかち探偵。』


 『だれに、依頼された?』


 『かかかかかか。秘密事項。しかし、ここの料理に、疑問を持った、ある、方からだよ。資料は揃った。』


 『あんたさん、かえれまへんでぇ。食材になってもらいます。ここでも、採集できますのや。ほら。』


 床全体がみるみるうちに、あの植物に覆われてきたのだ。


 『もう、脱出不能ざんすよ。』


 『だから、甘く見るなといったろう。いいかい、あちこちに、原子破壊爆弾を仕掛けたよ。スイッチは、ぼくにある。頭のなかさ。周囲10キロは消滅する。そのほうがよかったら、そうしますがね。ただし、ぼくたちは、脱出できる。ちゃんと、仕組んである。どうする? 逃げ出して、消えるか? 爆発で消えるか? 試しに、小さいので、あんたのレストランあたりだけ、消してみよう。ほら。』


 ホール内で、叫び声がした。


 マスターは、覗き窓からそとを見た。


 それから、走って消えた。



    🏃………


 


 


 

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