短編
りむど
ゴーストデスゲーム 前編
見慣れない天井に私は目を開く。
「ここは…?」
私は床で寝ていた。
ふと顔をあげる
すると知らない顔が5人
この状況は初めてではない
デスゲームに参加したからこうなっているのは当たり前だ。
「あの…」
「私は幽雅、こっちは紅音」
桃色の髪の少女が赤髪の少女を指す
「紅音です…よろしくお願いします…」
弱気な少女だ。
他にも寝ている人がいる
「起こしていいですか?」
聞いてみる
「おい白髪、起こすのは良くない。そいつらは眠いんだ。あと名前をいえ」
桃色の髪の少女は強気、初めてではないようだ。まあ、そう言われたなら名前を答えようじゃないか。
「私は零、よろしく。」
「そうか零は初めてなのか?」
「私は15回目くらいですかね」
「そうか私は23回目だ。よろしくな」
「プロですね。そういえば横の紅音さんは一緒にきたんですか?」
「いいや、たまたま知り合いだっただけだ」
「知り合いなんですか…」
こいつらは警戒した方がいいな。協力する時2人はお互いを優先するだろう。それにグルで裏切ってくる可能性もある。
「じゃあ紅音さんは何回目なんですか?」
「えと…3回目です…」
「じゃあなんでこんなところに来てるの?」
「あの…それって答える必要ありますか?」
「私は生活費がないからだ。事情を知っていれば哀れみか情か、優遇してもらえるかもしれない」
「そうだぞ、紅音。こういう時わざわざ隠す必要はない。むしろ警戒されるかもだぞ。ちなみにわたしは借金だ。」
「そう…ですか?私は…えとなんとなく…?」
「そう、なんとなくか」
「はい、なんとなくです」
なんとなくという理由でデスゲームに参加する奴はどこかズレている。
はっきり言って狂人だ。
まあそういうやつのが向いているのは確かだが。
「ん…ぅーん」
また1人起きた。黒髪の少女。
「立って」
私は手を差し出す。
「あっありがとうございます。あのここはどこなのでしょうか?」
「君は初めてなの?」
「初めてってどう言うことですか?」
「デスゲームだよ。デスゲーム」
おい幽雅、あんまり不安をあおるような事を言うのは良くないぞ。
「そんな!デスゲームだなんて…」
この反応は初めてのようだ。
「そ、そう…巻き込まれてちゃったんですね…」
紅音もちゃんとフォローしてる。
案外狂人は優しかったりするのだ。
「まあサポートするから安心してよ。私は零」
「ありがとうございます…その、わたし不安で…あっ!えと…私は黒華です…」
「私は幽雅、こっちが紅音だ」
「紅音です。よっよろしく…」
自分と同じように初心者だから親近感が湧いてるのだろうか。まあ別に悪い事ではないからいいだろう
「おはようございます〜回数は53回、名前は神蒼です〜」
「「「「53回!?」」」」
「53回って言うと確率は…わからんけどすごい!?」
幽雅が声を荒げる
「そんなプロさんがいるんならよかった!生きて帰れる〜」
黒華が安心した声で言う。
「すっすごいですね!とっても尊敬します!」
紅音は興奮が隠せていない
「仲良くしてくださいね…」
53回だとゲームの必勝法があるのだろう。それがわからないならせめて信頼関係を結ぼう。全員殺すとかじゃダメだからね。
「はい〜仲良くしてくださいね〜ところでみなさんお名前は?」
「「「「あっ」」」」
そうしてみんなの自己紹介は終わった。
ーーーーーーー
「じゃあ〜今回のぉ状況を整理しましょうか〜」
指示役は圧倒的プロの神蒼になった。
まあそれがいいだろう。信用はできないが…
「状況の整理か…」
幽雅が考え込む
「とりあいず食料の多さからだいたい3日くらいになりそうだね」
「そぅですね〜零さん大正解です〜パチパチパチパチ〜」
こいつは私を舐めてるのか?
すると白い影が寄って来た
『零、べつに舐めてるって訳では無さそうですよ?』
(そう?舐めてるように見えるけど…)
説明しよう!この子は私の守護霊、リーファルレスだ!外人さんらしい。実にべっぴんさんだ。
『それに負のオーラは感じません、どちらかといえば黒華だね。負のオーラを感じるよ』
(そう、じゃあ神蒼は信頼してよさそう?)
『えぇ、それは問題ないですね。』
(そっかじゃあ黒華を警戒ね)
『はい、そうしてください。では私はギミックを調べて来ます』
(よろしくね)
そう、私は幽霊を見たり会話したりできるのだ。これを使い、今まで勝ち抜いて来た。
他に幽霊は…
(君、ここにあるギミックを教えて)
『えっ!あなた、僕が見えるんですか?』
少年が目を輝かせて言う。
(うん、教えてほしいな)
大体の幽霊は話し相手がいない悲しさから協力してくれるのだ。
『ここはね、あのドアの鍵は君が寝てたシーツの下にカードがあるよ。それでね、あのドアの三歩くらい先にトリップワイヤーがあるよ。そこに行くと針が飛んでくるから避けてね鍵をかけずにドアをひいても針が飛んでくるよ』
(うん、ありがとう)
「じゃあ、まずドアの鍵を探しませんか?」
「そうですね〜だいたい〜ああ言うのは〜鍵がかかってるので〜」
「えっ…でも」
あっやばい紅音がドアを引いた!
「紅音!ダメだ!」
「えっ」
ピシュンッ
「よけっ」
神蒼が目を見開いて言う。
あの口調キャラ付けなのかよ。
…じゃない!
「いた!」
さっと紅音が頭を手で押さえたので手に針が突き刺さってすんだ。
全員が安堵する。
「ほら〜こっち来てください〜」
「あっありがとうございます…すみません…」
神蒼が食料を食べるためのフォークで布に穴を開け引きちぎり血で濡れてしまった紅音の手に巻く。
「大丈夫だよ。これも良い収穫になった。無事でよかったよ。」
私もフォローしとく。
とりあえず全員が生き残る事を最優先にしよう。
「なあ、じゃあ鍵を探した方がいいんじゃないか?」
幽雅が言う。
「そうですね〜経験が少ない紅音と黒華がペアを組んでそれ以外は1人になって手分けして探しましょう〜」
「それが良さそうですね〜」
「はい、わかりました。」
黒華が言う
「そうですね…わかりました…」
紅音はさっきのを気にしてるのだろうか?あまり向いてない気がする。
いや元々こんな性格だったな。
ーーーーーーー
かなり長いのに最後まで読んでくださりありがとうございます。多分後半も中もかなり長いと思いますが読んでくれると嬉しいです
短編 りむど @masineiri
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