異世界で新しい、家族のかたちが生まれる。
- ★★★ Excellent!!!
雲の高さから投げ出された五人の小学生。
その絶体絶命の瞬間、「助けて」という声に応えるように、湖から現れたのは壊れかけの巨大ロボ〈ドンキー・タンディリー〉。
岩を砕き、子どもたちを救う――それがすべての始まり。
本作は子供たちが異世界の荒野で助け合いながら生き延びるうちに、心を通わせ、まるで家族のような絆を育てていく――そんなあたたかい物語です。
異世界×ロボット×サバイバルという強い題材を、驚くほどやわらかく描いた物語。
子供たちの会話のテンポは微笑ましくて、風景描写は生き生きとしており、緊迫した場面の中にもどこか温かさを感じます。
作者の紅戸ベニ様の文章には“懐かしさと新しさ”のバランスがあり、読書が好きな方ならきっと惹き込まれるはずです。
大人が読んでも胸に残るやさしく深い冒険譚として、おすすめしたい一作です。
もちろんお子様にもお勧め(小学生が読めるように書かれています)、もし子どものころに読んでいたら、一生忘れられなかっただろうな……と思います。