第9話 レッツ潜入調査
目覚ましの音で目が覚める
いつものように自室の扉を開け、下の部屋へ行く
下へ降りる階段の途中で、珈琲の匂いが鼻腔をくすぐる
向こうから珈琲の匂いがし、扉を開けると
白衣の少女がカウンターチェアに腰を掛け
澄ました顔で珈琲片手にテレビを見ている
テレビからはニュースが流れており、
「廃工場で死体が………被害者は混沌街の住人……またもや能力者による犯行か………」
などと流れてくる
目の前の少女に出会ってから1年、
寝起きの少年は白衣の少女に話しかける
「おはようございます、博士」
博士、と呼ばれた白衣の少女が笑顔で答える
「おはよう怜君!良い朝だな!」
とこちらへ顔を向ける
続けて
「軽めの依頼が来ているから、君に行ってもらうよ!」
ここ、シークレットロマンはリサイクルショップのガワを被った裏社会の何でも屋だ。
リサイクルショップの仕事は一切来ず、何でも屋としての仕事は1日に数件来る程度。
だが裏社会の依頼はそう簡単にこなせるものではない。
怜は博士に言う
「言っておきますけど、人殺しは絶対しませんからね」
「もちろん、分かっているよ。それを踏まえての軽めの依頼だ!」
博士は1枚の紙を怜に手渡す
「おっきいなぁ〜」
怜はつい思っている事を呟く
ここは都開街の中でも有数の巨大な学園
阿美里帝学園
能力者の育成に特化したこの学園は無能力者の怜にとっては縁のない場所だった。
(都開街、久しぶりに来たなぁ)
都開街はこの巨大都市レヴルートの中で1番大きい街
混沌街を囲むようにして大きな建物が立ち並んでいる
その7割が能力者で構成されており、科学力も混沌街とは比べ物にならない。
また日本人以外の人間も多く、この都市も西洋の魔術師が創ったと伝えられている。
ふと怜の頭の中に忘れていた記憶が蘇る。
(こんな事考えても意味なんてない。)
傷跡の残る腕を掻きながら学園の門をくぐる
(ここにターゲットが…)
怜の受けた依頼は人捜し
だが人は人でも混沌街で多発している
無能力者殺し
その犯人を突き止める為にここへ潜入調査に来た
(情報によると犯人は高校生だって言われてるけど…)
潜入する教室へ続く廊下を教員の後ろを歩きながら怜は考える
「緊張しなくても大丈夫だからね」
と教員は言う
(すれ違う人から視線を感じる)
それは興味心からか、それとも…
(まさか、無能力者だとバレて………)
きっと大丈夫、と心に言い聞かせて教室の扉を開ける
教室中の人間の視線が怜へと向く
「自己紹介をお願いします。」
教師が言う
それに怜は
「初めまして…三月 朝日です、よろしくお願いします…!」
と用意された偽名を口に出す
シークレット・ロマンへようこそ 木野後藤 @kinokami0128
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