第3話 さらに回想してみる
体育の日……
う~ん。別に大けがして運んだとか、足を挫いたから保健室へ運んだとか、そういう事はなかったと思うんだけど。
そう考えていたら四月一日さんから、何かを渡してくれたでしょとツッコミが入る。
それでもう一度深く思い起こしてみる。
「調子悪いの?じゃぁこれどうぞ。」
そういえば何かを渡したっけか。
何を渡したかと言えば……
豆乳とプルーンFeのむヨーグルトと温熱シートだっけか。
それも一回や二回じゃなかったな。
体育の日……それは偶然かもしれないけど、あれらを渡したのってそういえば四月一日さんが体育を見学してた日だったような気がする。
他にもアーモンドとかナッツなんかも昼休みにあげた事あったっけ。
「ようやく一つ思い出したようね。あれって生理の時に食べたり飲んだりしたら良いものなの。」
そこで四月一日さんの生理談義が始まる。
なんでも生理または生理前に女子に渡すとワンちゃん落とせるアイテムらしい。
あからさまだと勘ぐられるけど、さりげなくだと好感度が上がるそうな。
そういうのを本人の前で言うか?とも思ったけど、当時の彼女には本当に助かるアイテムだったらしい。
実際最初のプレゼントで好感度が一気に上昇したそうだ。
イソフラボンやマグネシウムを接種すると良いらしい。
具体的には、イソフラボンは納豆や味噌、大豆や豆乳など。
マグネシウムは、アーモンドやカシューナッツ、さつまいもや牡蠣、海苔・昆布などが良いらしい。
特に意図したわけではないのだが、豆乳にしろナッツにしろ、たまたま持っていたから渡しただけだ。
決して生理に良い食品と知っていて渡したわけではない。
豆乳は元々自分の健康のために良く買っていたし、ナッツも同じ感覚からだ。おやつにもなるし。
逆にNGな食品も教えられた。
カフェインを含むもの、チョコやケーキの砂糖を多く含むもの、これは未成年だからないけどアルコール、冷たい飲み物やアイス、脂肪分の多い肉などだそうだ。
そういや頭痛そうだからバファリンをあげた事もあったっけ。
「生理の前後って心身共に不安定になるから、本当に助かったの。ヒーローだったの。」
生理には四つの周期があって、卵胞期、排卵期、黄体期、生理とある。
最初の二つの期間はあまり考えなくて良いらしい。
問題は黄体期と生理の二つの周期だと言う。
黄体期は排卵後の卵子が受精を待っている期間であり、生理前のイライラというのはこの時期に起こるらしい。
そして生理とは、使わなかった子宮内膜が血液と共に身体の外に出される時期だそうだ。
この時内膜がベリベリ~っと剥がれて排出されるから、血がどばどば出るとの事だ。
それで、生理になるとどうなるの?という話であるが。
頭痛、眠気、肌荒れ、乳房の張りや痛み、食欲変化、腹痛、腰痛、太腿の付け根の痛みといった肉体的症状がある。
集中力の低下、判断力の低下、イライラ、勝手に涙が出るなどの精神的症状がある。
それならば、生理前であればどうなの?という話であるが。
むくみ、過食、食欲不振、便秘、腹部や胸の張り、頭痛、めまい、眠気などの肉体的症状。
集中力や判断力の低下、イライラ、精神不安、倦怠感などの精神的症状がある。
そう説明をしてくれる四月一日さんであるが……
「結局は人によって違うけど大体一般的にはこんな感じなんだよ。」
という説明をしてくれた。
「私の場合、ない胸が張って感じたり、精神が不安に感じたり、ちょっと食べ過ぎたり、ふらついたり、太腿が痛かったり……」
言わなくてもいい事まで教えてくれる。
生理ってもっとデリケートなもんだろうと思ったからだ。
「でもそれってある意味生理ハラスメントだよ。」
心の中を読まれたのか、四月一日さんの答えはちょうど自分が心の中で思っていた事に対してピンポイントだった。
「体育を見学してると、女って良いよな、生理で休めて。なんて言う男子がいるけど。だったらお前らも生理になってみろってんだ。この苦しみをわからない奴が語るなってんだよ。」
ちょっと委員長キャラが崩壊しかかった四月一日さん。
そういや俺はそういうの思った事はないな。だからと言って態々大変だねとか言った事もないけど。
大変と分かっているのに、大変だねというのも何か違う気がして言えないだけだけど。
時と場合を間違えば、気が利かないとか言われそうな、自己満足な気遣いだとは思ってるけどさ。
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