第4話ガードマンの最終出勤日

藤岡はハンドル工場の面接を受けて合格し、12月で終わりにしようと思い会社に連絡した。

退職は受理された。

最後の夜勤明け。

珍しく寺前、伊藤、荒川、藤岡の4人で飲みに行った。

いつもの焼き肉屋で。

寺前は10年ぶりにビールを飲むと言う。4人は生ビールで乾杯した。

運ばれる肉を寺前は焼いていた。

今日は特別。このメンバーで飲むのも最後かと思えば、はしゃぎの酒もほろ苦い。

11時のランチタイムから、15時までワイワイやっていた。

次から次に、ビールをおかわりする。

寺前は1杯で辞めてソフトドリンクを飲んでいた。

記念写真を撮り、飲み会は終わった。みんな、藤岡に頑張れと言って解散した。

すると、荒川が自分が奢るから寿司屋に行こうと言うので、付き合った。

荒川は、口は悪いが人間は悪くないのだろうと思った。

実際、ガードマンを辞めても暫く飲み仲間だった。ハンドル工場でアルバイトして、正式に団体職員の時代まで飲んでいた。

29歳で辞めるまでの7年間飲んでいた。

焼き肉屋で飲んだので、寿司屋では日本酒を飲んでいた。


帰宅する前に、こずえのマンションに寄った。

転職先がハンドル工場のバイトと知ってこずえの機嫌は悪かった。

団体職員時代も半分ブルーカラーなので、早く転職しろと藤岡をせかした。

そして、その後職員となって、26歳の元旦に2人は別れた。

こずえは新しい男を作っていた。

こずえは、ずいぶん前の時も浮気していた。

ま、大学時代、遠距離恋愛だったので藤岡も浮気していたので、文句は言えない。

こうして、2人は別々の道を歩いていく。

ガードマン時代は楽しい思い出として藤岡は記憶している。

彼は未だに団体職員として働いているかと思えば、現在は福祉作業所で働いている。

団体職員時代、パワハラとイジメで精神を壊したのだ。

それが、今の近況だ。

やんぬるかな。


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ザ・ガードマン 羽弦トリス @September-0919

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