第2話 ダンスの練習。

私の名前は夕空 深夜。芸名は朝日。CANDY NIGHTのピンク担当で、よくセンターになってる。今は学校の帰りにダンススタジオに行ってダンスの練習をしにいくところ。

そういえば、今日も1人から告白された。「月が綺麗ですね」だなんて、昼なんだけど。もちろんふった。意味わかんないし。アイドルとして恋愛なんかやってらんないし。炎上するかもだし。怖いこといっぱいある。

ダンススタジオの中に入って、いつもの木の香りがしてくる。お家みたい。まだ香織ちゃん来てないな・・・先に練習していよう。いつも通りカバンをおろして、マスクを外す。髪の毛のリボンをほどいて、一つ結びにする。この髪の毛、長すぎてお手入れが大変なんだよね。この髪の毛がウケてるから切れないんだけど。アイドルやめたい。自分の背よりも大きな壁1面の鏡の前に立って、踊り始める。今回の曲、テンポがはやくて難しいんだよね。

それからすぐに入口付近から足音がした。香織ちゃんが来たみたいだ。

「香織ちゃん!!」

「やっほ、朝日!」

香織ちゃんの香水の香りがした。優しいお顔が見えて、私も笑みがこぼれた。香織ちゃんは私よりも2つ年上で、緑担当なの。2人目のお姉ちゃんみたいで、大好き。

香織ちゃんが、小さな机にスマホを置いて、新曲を流してくれた。早速曲に合わせて踊ってみる。やっぱり、香織ちゃんと一緒だと楽しい。 何回も何回も香織ちゃんと踊っていたら、あっという間に時間が過ぎた。もう7時だ。そろそろ帰らなきゃ、お姉ちゃんが困っちゃう。

「香織ちゃん、そろそろ時間だから帰るね!今日もありがとう!!」

「あ、待って、朝日ちゃん。これ、真昼さんに。」

香織ちゃんにクッキーの缶が入った袋を渡された。高そう。

「朝日ちゃんも一緒に食べてね。じゃあまたね。」

「またね!」

香織ちゃんに手を振って、マスクをし、髪を結んで外へ出た。もう外は真っ暗で、ちょっと不安になってきた。そんなときに、スマホの通知がなったのに気づいた。あ、お姉ちゃんからだ。迎えに来てくれるみたい。ダンススタジオの前で待つことにした。というか、視線を感じるのは気のせいなんだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アイドルのストーカー。 おちょ @ocho1006

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画