アイドルのストーカー。

おちょ

第1話

なんか知らないけど、うちのクラスにいつもマスクしてて地雷系?みたいな女の子がいるんだよね。しかも髪の毛はピンク色に染めてんの。ツインテールを黒いリボンでまとめてて、目元すっごい美人。マスク詐欺とかじゃなかったらいいんだけどね。体育いつも休んでて、ずっとスマホ見てる。中々喋らない。声も小さい。別の女子にめちゃくちゃ陰口言われてんの。ぶりっ子だとか猫かぶりだとか。本命か罰ゲームか知らないけど、たまに陽キャが告白してる。それがさらに周りの女子を不機嫌にさせる。そのせいでいつも雰囲気悪い。何なんだろ。生きてて楽しいのかな。


「岡田、これ夕空に渡してくれ。」

先生に言われた。岡田ってのは俺のこと。岡田蒼(おかだ あお)。女みたいな名前であんま気に入ってない。夕空ってのは隣の席の女。夕空 深夜(ゆうぞら しんや)。変な名前だよね。というか、話しかけんのやだなー。先生に言われたんだからしょうがないか。深夜の近くに行った。一瞬こっちを向いて、すぐにスマホに目を向けた。

「深夜さん、これ。」

「・・・」

「おーい?深夜さん?」

「・・・置いといて。」

相変わらず無愛想だなー。イケメンに話しかけられて嬉しくないのかな?自分で言うのもなんだけど笑。そっと先生に預けられたプリントを置く。なんの反応もない。相変わらずスマホに夢中だ。いつも何見てんだろ。

「深夜さん、何見てんの?」

思いきって言ってみた。気になるし。

「・・・別になにも。」

はぁ。なんなんだこいつ笑。まあいいや。


放課後。俺は今日楽しみにしてた事がある。推しのLIVEだ。俺の推しはアイドルグループ「CANDY NIGHT」のピンク担当、朝日ちゃんだ。今までにないような美人で、光を放ってる。笑顔が可愛くって、ときどきちらっと見える八重歯が超好き。髪型もボリュームがあって、かっこいい。見てるだけで最高の癒しだ。しかも同い年。最高に決まってる。ルンルンで帰ってたら、深夜を見つけた。どこ行くんだろ。どうせP活とかだろ。気になるからついていってみた。後ろとか確認してる。こっそりあとをつけてたら、駅に来た。電車に乗る。スマホ見てんな〜。空いてたから、痴漢とかされなくてちょっと安心。他のところについて、深夜が降りたから俺も降りる。またついていく。ダンススタジオについた。アイドルでもやってんのかな。ドアを開けて中に入った。これ以上は無理そうだなぁ。少し遠くのほうで見てたら、他の子も入っていくのが見えた。ん?待って?見た事ある気がする。でも同級生じゃない。誰だ?マスクしてたから、少し悩んだけどやっとわかった。CANDY NIGHTの緑担当の人だ。なんだっけ、確か香織とかいったっけな。俺朝日ちゃん以外興味ないからな〜。え?待って?朝日ちゃん?俺はとんでもないことに気づいた。

夕空 深夜は俺の推しだ。そばかすついてるしマスクとか雰囲気とかのせいでわかんなかったけど、絶対そうだ。うける。こんなセキュリティガバガバで大丈夫なのかな?笑 まあでも、これで俺の推しの新しい顔が見れるじゃんか。あ!面白いこと思いついた!


夕空 深夜のストーカーして、俺の物にする。



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