第12話
泊まるって、
「嫌だよ。」
「は?嫌ってお前、俺どうやって帰んだよ。」
「……タクシー?」
私がタクシー代払おうか、と恐る恐る口にすれば「お前まじで…」と頭を抱える七瀬。
「一晩だけ、泊まらせて。」
今更七瀬が泊まることに躊躇っている私は何だよって話なんだけど、今日は坂井さんがいるから状況が違う。
「坂井さんに何かするか、疑ってんの?」
「え?それ聞くってことはしようとしてたの?」
「思ってねえよ。」
お前が警戒してるからだろ、と呆れた表情でため息を吐く目の前の眼鏡野郎。
「何回も泊まっててそんな素振り見せないくせに、今更警戒するか?」
「今私酔ってないし。」
頭は正常だから、余計心臓が騒ぐというか。
「分かったから。いつもみたいにソファしかないけど。」
掛け布団を渡したらいつも私をベッドに送り届けた後、そうしているのか脱衣場に向かっていく七瀬。
その辺に干したままのTシャツも迷うことなく、まるで自分の家かのように持って行った。
「朝日奈」
未定 春に咲く華 @harunisakuhana1
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