Func6(){ Trash( Func5(); ; Change_Regulator( v0_1, v1_1 ); }

ビー!ビー!ビー!!

ビーーーーー!!!ビーーーーー!!!


 安物の電子ブザー(ホームセンターにて購入)とPCの両方から、警報音が鳴る。


 問題が起きたのは、お経を流すソフトを作った夜の出来事だった。俺が寝ようとして電気を消して暫くすると……突然、スマホがカッと点灯するや否や、せっかく作った回路に異常な電流と電圧がかかり出したようだ。上記はそれを告げるブザーの音だ!

 急いで起き上がってスマホのところに向かうと、そこには煙を発する電圧と電流を一定に保つレギュレーター回路が!!イレギュラー発生か!?


「パチン!」

「バチッ!!」


 ダイオードやコンデンサの焼ける匂い!それとも破裂する音!?どうする自分!?というか、なんでだ!?わ、わからん……!!だが落ち着こう。落ち着いた。


 プログラムでもバグは発生するものだ……なので、こんなこともあろうかと回路は素人なりになんとかギリ3Aちょいまで耐えられる設計にしてあるし、第一の回路が壊れても第二の予備回路が動くようにしてある。昔に買って使わなかった古いラッチングリレーで自動・手動で切り替えれるようにしてあるのだ。第一回路が発火等してたり第二回路も壊れてなければ、まだなんとかなるはずだ。

 ……うん、第一回路はダメになっているが、予備の第二回路に切り替わって再稼働している。ただし基本は同じ設計なので、こちらもそう保つまい。


 だが……この一週間の間に私が何もしていないと思ったか?このような事態に備えて、改善された回路を作ってあるのだ……!!

 突貫で作った最初の回路は本当にありあわせのツェナーダイオードで作ったクソ雑魚回路だし、足りない素子は後から買い足して継ぎ合わせたお粗末なものだが、こっちの方は知り合いに聞いて設計を改善してもらった専用の"スイッチング→リニアレギュレータ高性能・定格電圧電流回路"だ!!Type-CのPD最新のUSB充電に完全対応。念の為に30V10A、それですら過剰な電気が流れた場合はアースに流すよう設計されている!のでこの回路だけでもギリなんとかなる。

 まだ構造も理論も理解しきってないし「今回はお前が蘊蓄うんちくえーー!!」とか言われ、今回の回路にはLDOは向いてないだとか、保護回路にはシャント何だとかフォルト何だとかが良いかもしれんだとか様々な知識を流し込まれたし、必要な部品の選定まではしてもらったが。そういった知識設計以外は自作の、特別品だ。熱くなっていく予備回路を横目に、壊れた方の第一回路とそれを取り替え、リレーに電気を流してこちらの回路に流れるよう戻す……


「……!!」


 回路を切り替えた途端、みるみる元の通常電圧に戻っていき、USBハブ側につけている電子ブザーは鳴り止んだ。PC側のブザーは入力スマホ側の電流電圧もチェックしているので未だに鳴り響いているが、とりあえず新しい回路の耐電流/耐電圧の数値に設定を変更して鳴り止ませる。

 また、念の為に急遽USBハブ(こっちは壊れなかった模様)に追加の扇風機やら諸々を全て装着する。なんとかなったとはいえ、明らかに異常な事態だ。何が原因だったのだろうか?電圧電流計からPCに記録させている電圧や電流の変化を見てみるに、例のお経を流した後から両方とも低くなっており、そして今さっき急に高電圧を流すようになったようだ。ううむ、よく分からんが怪異を甘く見ていたと言わざるを得ない。

 だがとりあえず、なんとかなったので原因について考えていこう。今日あった大きな変化と言えば、お経周りか。


お経ナムアミダブツの言葉や無限お経プログラムは特に意味がなかった

②あるいは逆効果で、霊のパワーが増してしまった。

③もしくは効果があったため、霊が反撃のために敢えて力を貯めた


 オカルトが分からんので、このどれかは分からないが……どれであっても、今の無限お経ナムアミダブツプログラムは止めておいた方が良さそうだ。そうでなくても、このような事が発生した以上、また同様の現象が発生する事も考えられる。うーむ……


 ふとPCを見てみると、また電圧が正常値以下になっていく。せっかく回路設計料も込みで1万円弱かけた回路だが、壊されてはたまらん。どうしたものか……オカルトなんて多少の有名な怪談と、これまた有名どころの洒落怖とかいうやつ某掲示板に投稿された創作怪談しか知らんぞ……


 まあいい。ひとまず今日あった事は回路設計をしてくれた知り合いと、あと肝試しメンバーには報告しておくか……?特に自分を誘ってくれた親友には細かく伝えておくべきか?彼のコミュ力なら、もしかするとオカルト知識に詳しい知り合いもいるかもしれん。

 またオカルト オカルトとは言っているが、実際こんな事が起きてる以上、この世界には他にも怪奇現象やら心霊現象が発生している可能性も高い。どうやって調べたものかは分からんが……朝にも言った考えたようにバッテリーが無くても光の線が通っていた事実を考えると、最低限そのようなプラズマを発生させ操作する程度の能力はあるわけで。昔の狐火なんかも本当に霊魂の仕業……みたいな可能性も有り得るわけだ。こういう怪異の弱点って他に何か無かったか……?それとも、まだ他に取れる電気的な方策があるだろうか。


 などと思ったところで、突然に最悪の解決策を思いつく。だが、これをすると1万円どころの損失ではない……だが最悪の場合に備えて、試す価値はあるだろう。それまでは今の方針で進めていくしかあるまい。


 というわけで、今後の方針としては


❶回路設計した知り合いと肝試しメンバーに、情報を共有する

❷実際このような怪奇現象について詳しい人を探す

❸最悪の場合はを実行する


 この3つだ。まずは❶から実行していこう……というわけで早速、まずは回路を作った知り合いに報告する文を書いていく自分なのだった。

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ハッカーの俺のスマホに消えない心霊写真があるので無限削除したった件。 創代つくる / 大説小切 @CreaTubeRose

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