異世界の坂の上の社
やたつ
第1話 出会い
とある異世界感ある坂の街。
この街は激動の歴史を持っている。
ここ最近は再開発が進み以前と駅周辺は完全に別の街と化した。駅前には巨大ショッピングモールがありこの近くにも3つ大型ショッピングモールがある。そのうちの1つはつい去年、もう一つはついこの前オープンしたばかりのサッカースタジアムとバスケットアリーナの合体した日本でも珍しい複合施設である。
だが、駅周辺を出ると街の南側には海外感あふれる古い建物が多く、そして街全体にはたくさんの教会と市街地の東西を囲むように山がそびえ、山のいくらかの高さまでには住宅が広がってて坂の街でもある。
駅ができる前から栄えていた中心市街地は中心駅と古い建物が多い旧市街との間にあり、そこには古くからのデパートを中心に大きなアーケードができている。
この街の南北を路面電車が走り、どこから乗ってどこで降りても一律140円という破格の安さだ。
バスは2つの会社があり、もう一つは民営の青いバス、もう一つは県営の赤いバスだ。
僕は吉田航。この小説の主人公だ。鉄道とバスとサッカー好きの男子大学生は、この街の北側に住んでいる。この人は人間関係に悩みを抱えていた。
旧市街に住む幼なじみの女子大の女子大生と付き合っていたのだが、ついこの前オープンしたスタジアムとショッピングモールの合体した複合施設でデート中に喧嘩をして別れてしまった。
就職活動も上手くいかず生まれ育った街を離れて比較的近くの大都市まで足を伸ばして仕事を探しているが、どこも不採用続き。
面接終わりには毎回地元にはない安いイタリアンチェーンと牛丼チェーンでいつも食べていたし、地元にはない24時間営業のボウリング場とゲームセンターとカラオケとスポーツ施設を兼ね備えた娯楽施設で夜な夜な過ごしていた。
就職活動をする前は平日は大学、日曜日は家の近くの坂の上の大きな教会というループを繰り返してたが、就職活動をしてから一度も教会には行っていない。
なので久しぶりに教会に行くことにした。
いつも行く坂の上の大きな教会。そこには平安装束を着た二人の若い男が立っていた。
何かを感じた気がして近づいてみた。
「私は復古天照社の伝道師です。あなたをここに呼びました。」
「復古天照教会?なんで教会に神社の神主がいるの?」
「私はこの世界の住人ではないです。主は天御中主大神様。イエス・キリスト様は天照大御神様。聖霊は神産巣日神様。」
「コスプレイヤーか?頭おかしいのか?」
「そんな事はありません。ついてきなさい。」
すると自分は意識が朦朧とした。
そして気を失い、目を覚ますとそこは見える山は見覚えはある。でも建っている建物が江戸時代以前の日本のような景色だった。そして目の前に大きな鳥居があり、後ろを見ると大きな神社のようなものが建っていた。
「あなたは今日からここにすむのよ。もう人間の戻ることはできない。これは愛する天御中主大神様が決めたこと。あなたには神権者になる定めがあるのだから。」
「神権者?天御中主大神?なにそれ。」
「後でどんなものか分かると思う。」
男から言われ、愕然とする。いきなり連れてかれ、こんな世界に来てしまったのだから。
そして男に連れて行かれ大きな神社みたいにところに連れて行かれた。
異世界の坂の上の社 やたつ @817ebitsu
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