俺はラーメンなんだよ
白川津 中々
◾️
さぁ昼休みだラーメンを食べようと思い急足で馴染みの店へと向かったが、店舗にはシャッター。
馬鹿なぁとスマートフォンを取り出し確認すると閉店の文字。潰れたんかいと落胆。近くに牛丼屋ならあるが今日はラーメンと決めていた。昼休憩は残り50分。時間がない。少し遠いが駅前のチェーン店へ移動、行列。いつもならこんな事はないのに今日に限って満員御礼。理由は明白。件のラーメン屋がなくなった影響でラーメン難民が押し寄せているのだ。馬鹿にしやがる。並んでまで食わせてもらうほど落ちぶれちゃいない。こうなりゃゲッティでもいいやとたまに顔を出すイタリア料理屋へ。が、空いていない。入口に貼られたペラ紙に一言、「本日ローマは休日なので休みます」。思わず「死ね」と呟く。残り30分。時間的にはもうアウト。こうなれば最終手段。コンビニにて全マシブタ野郎を購入しオフィスへ戻って備付けのレンジにイン。10分経過でマシマシラーメン完成。ニンニクスメルが最高の最。
「変な臭いする……」
マシマシの気に当てられ弁当組が騒めく。羨ましいか。雑魚飯で満足してろ貧乏人。
「……オロロロ」
「あ、吐いた」
社内で嘔吐者発生。更にはもらいゲロでコンボだドン。社内騒然。ランチから戻ってきた連中がニンニクと吐瀉物のダブルパンチに驚愕動転。それを横目に天地返しで麺をSUSURU〜濃厚な豚スープと極太ワシワシ麺が心をガッチリ掴んで離さない。しかしこれで800円は高い。
「橋本さん、ちょっと来て」
「ラーメン食べてから行きます」
上司に呼び出し。恐らく執務室の地獄絵図についてなんらかの叱責、あるいは懲罰が課せられるのだろう。是非もなし。しかし今は、この一杯を楽しみたい。ラーメンって、いいもんですね。
俺はラーメンなんだよ 白川津 中々 @taka1212384
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます