日記 ①
2024年 4月8日(月)
春休みが終わりました。新学期が始まったので、今日から日記をつけようと思います。3年生の担任の先生は、
あと、もう3年生だから高校受験のことも心配です。高校受験では面接もあるらしいからそれも不安だけど、問題はやっぱり学力です。みんな塾に通ってるけど私は親に塾代なんか出してもらえないから、自分で勉強しないといけません。私立は高いということで行かせてもらえないので、公立に合格しないと。でも数学と理科が2年生の途中から全然わかっていないので、やっぱり無理なのかもしれません。数学なんて、テストで1桁の点数を取ったことがもう3回もあります。6点と8点と9点。せめて塾に通えたら。家にお金があったら。霧華お姉ちゃんみたいに、おじいちゃんとおばあちゃんに可愛がってもらえたら。
今なら可愛がってもらえるかもしれない。おじいちゃんとおばあちゃんの家に住んでみたいです。だけど、お父さんとお母さんがきっと許してくれない。きっと連れ戻される。うちが気に入らないのかって、何か文句があるのかって叩かれる。あるに決まってんだろ。
そういえば、霧華お姉ちゃんは私立の進学校に願書を出していました。名門の女子高で、制服がとてもかわいいからって。まだ受験さえしてないくせに、願書を出しただけで自慢してきたことがありました。1月の終わりでした。あんたは頭が悪いから逆立ちしても無理って、私の頭をぺちぺちと叩きながら言ってきました。霧華お姉ちゃんは私が勉強できないことをよく馬鹿にしてきました。私立の有名大学に行きたいと思ってるって話した時も、あんたの頭で行けるわけないでしょって大きな声で笑いながら言われました。
言われるたびにすごくムカついたけど、でも実際に私では難しいのでしょう。霧華お姉ちゃんなら高校も大学も難なく受かったのでしょう。霧華お姉ちゃんは、おじいちゃんとおばあちゃんにお金を出してもらって小学4年生から塾に通っていたから。私だって小学生から塾に通えてたらもっと勉強できてたのに。なんであいつばっかりって、何度思ったことか。
でも、今はもういいです。どうでもいいです。
霧華お姉ちゃんは、もういないから。
私以外、もう誰も覚えていないから。
おさるさまが消してくれたから。
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