モノクロ少女と天蓋の街
数多怜悧
0.とあるJKの前日譚
銃を構えて、撃つ。放たれた
「アカネ、今のやるー」
横にいる兄がゴーサインを出しながら語りかける。OKサインを出しながらニコっと笑う。学校では出せないこの快感。私の場所は
■■
「ただいま〜」
あれから何回かマッチをやり夕方、家に帰る。それが私の日常とかしていた。母の声がキッチンから聞こえる。
「おかえりー、楽しかった?」
「うん、楽しかったよ。お兄ちゃんは外でドロ取ってる」
「はーい。あ、そうそう、なんか荷物届いてたから部屋においておいたよ」
「マジ!、見てくる!」
階段を上がり部屋に入る。部屋中に飾られた
「何だ?今度は特殊部隊コスか?」
兄が部屋の扉を開けて中にはいってきた。SATの服を部屋着にしている変態だがそこには構わず話す。いつものことだから、
「終末コスだよ、最近見た小説の影響」
「なるほど、だったらこれでも使えば?」
そう言ってAK47のエアガンを投げる。
「最高だぜ
そう言うとゲラゲラ笑いながら兄は部屋をあとにした。新たなグッツを飾り、眺める。一通り揃った終末コスを見てふと考える。
「はぁ~、世紀末になれってわけじゃあないけど」
ーもっとイキイキしたとこに行きたいな〜ー
そんなことを考えていると昼間動き回ったからか急激に眠気が体を襲う。せめてシャワーを浴びたかったが、襲いかかる睡魔には勝てず、そのまま眠りについてしまった。
■■
「、、寒い」
あまりの寒さに布団から起き上がる。が、体にかかっていたのはいつものフカフカの羽毛布団ではなく、固くて薄いボロ布一枚だった。何が起きたかと体を起こすと違和感に気づく。
「何、この服」
昨日着ていた迷彩服ではなく、黒いつなぎになっていた。黒いつなぎは持っていないはずだ。それに寝る前はグローブをしていなかったと思う、、。体を起こし見渡すと、さらなる違和感。普段より視界が高く、服から覗く自分の肌はクラスの一軍女子以上に白い。自分はサバゲーで肌は焼けていたため褐色肌だったたはずだが、、。ひとまず立とうとするとコツコツと足がなる。自分の靴を見ようと下を見ると、、。
「うぉ、デッカ!」
目に入るソレについつい声を出してしまったが、深呼吸をして落ち着く。いや、(何がとは言わんが、)でかい。私のサイズは良くてB程度だったが、今にこれは軽くDはありそうなサイズ感だ。(何がとは言わんが、)。深呼吸をして改めて靴を見る。靴は内股によくわからんダイヤルがついた米軍採用モデルとよく似たタクティカルブーツを履いており、さっきまで寝ていた布切れの横にはオイルの切れたオイルのランタン、
「この銃、AR15のカスタムかな、」
ひときわ黒光りするソレはよくできたエアガンだと思っていた。しかし銃身を持つと、重い。フルメタルのエアガンとは違う「本物」の重さがした。マガジンを取り出すと中には(おそらくだが)本物の銃弾が入っている。何が起きているかわからずに落としかけた銃を急いで拾い、辺りを見渡す。そこはいつものミリオタ部屋ではないことにようやく気付いた。そこは一面むき出しのコンクリートの部屋で窓枠はあるがガラスは貼っておらず、外の風が吹き込んでいた。道理で寒いわけだ。窓枠に向かって歩き出す。窓の周りにはうっすら白い雪のようなものが積もっている近くで見ると、薄い灰色でそれが雪ではないことは明らかだった。
「これって、灰?」
窓枠から吹き込んでいるのは灰だった。火山灰か何かだと思っているとようやく一つつながった。ボロ布のあったところへ戻り、防塵マスクを口に当てる。呼吸は少ししづらいがこれで安全だろう。この灰を吸わないための防塵マスクだったのか、、。今一度窓枠の方へ行き手を乗せ、外を見る。
「なに、、これ、、、」
外の景色を見ると今いる建物と同じような廃墟がいくつも並んでいる街が広がっている。空からは白い粉が雪のように舞い、その街には誰もいなかった。そして、直感的に自分が置かれた状況を理解する。おそらくだが、自分は今流行りの異世界転生とやらをしたのだろう。そして、転生先は、、、
「ポストアポカリプスした世界、、てこと?」
次の更新予定
モノクロ少女と天蓋の街 数多怜悧 @amamiyayuiti
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。モノクロ少女と天蓋の街の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます