第47話
3月31日 晴海編集部 17時
「…皆さん。 急ではありますがお世話になりました」
滝川春は、晴海編集部の全社員の前で涙を浮かべながら頭を下げた。
「春ちゃん。本当に辞めちゃうの?」
胡桃が春の前に立ちふさがり、本当に辞めるのと泣きながら春に訊いてくる。
「…胡桃先輩! すみません。けど、もう決めた事なんです」
滝川は、泣きじゃくる胡桃に向かってすみませんと言いながら頭を下げる。
「……春ちゃん」
「おい! 胡桃! いつまで泣いてるんだよ!」
「!」
二人の間に誰かが割って入ってきた。
「「……堂城先輩?」」
「悪いなぁ? 滝川! お前だって辛いはずなのに、最後の最後で」
「いえ。でも、このぐらいの方がいつもらしくて嬉しいです。あぁすみません」
堂城の優しい言葉に、滝川は、大丈夫ですよと首を縦に振る。
「お前らしいなぁ」
「それ、褒めてますか?」
「褒めてるよ! 最大級な」
「ふふふふありがとうございます先輩! あぁもう先輩じゃありませんねぇ?」
「なに言ってるだよ! 滝川! お前はいつまでも俺の後輩だぞ」
「そうよ! 春ちゃん! 私達は、離れていても友達だよ!」
堂城の言葉に一旦、落ち込んでいた胡桃がいつの間にか滝川に抱きついていた。
「……皆さん! 本当にお世話になりました」
片恋慕? なつかわ @na_tu_ka_wa
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