第14話
「本当にすみませんでした」
千里の兄の事で全く前を見ていなかった杏奈は、前から歩いてきていたスーツ姿の男性に気づかす真正面から思いっきりぶつかってしまった。
「いえ? 僕なら大丈夫です。それより貴女は大丈夫ですか?」
自分がぶつかったのに、男性は、杏奈の事を心配してくれた。
「はい。私なら大丈夫です。本当にすみませんでした」
杏奈は再度謝罪をしながら、自分は大丈夫ですと返事を返す。
「ならよかった。ところで何か考え事でも」
「…はい」
図星をつかれ杏奈は、小さく頷く。
(ドジな所は全く変わらないぁ?)
「えっ!」
なにが言いましたかと杏奈は尋ねる。
すると、何を思ったのか…男性が杏奈の方に近づき、突然杏奈を抱きしめた。
「…あぁあぁの?」
突然の出来事に杏奈は、混乱する。
だけと、男性は一向に杏奈を離せない。それどころか、抱きしめる力が更に強くなる。
「…杏奈」
「…千里…さん?」
杏奈は、自分を抱きしめる男性の顔をゆっくり見る。
そして、5年間呼んでいなかった彼の名前を今度は、はっきり呼んだ。
「おかえりなさい」
「ただいま」
☆
再生結婚 もう一度あなたと なつかわ @na_tu_ka_wa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます