第4話 空のかなた
リノが「あれ?あの子。マシダ電気の娘さん?何でこんな所に」とリクに声を掛けた。
リクが「本当だ。確かマサミさん」と驚いていると、マサミが「あ、前に会ったきりだね?
元気にしていたか?」と話し掛けてきた。
リノが「心配してくれたの?ありがとう」とお礼を言うと、マサミが「別に私は、お礼を言われたくて言ったわけじゃ無い」と冷たく突き放した。
リクが「良いじゃねぇか?もう、俺たちは友達だろう?」とリノに話をした。
リノが「急にそんなことを言われても」とリクに少々戸惑った様子を見せた。
リクが「これ、良かったらお菓子の時間に食べてくれるか?」とリノに白い紙袋を渡した。
リノが「ありがとう。それにしても、どうして・・・」とリクが帰って行く後姿をぼんやりと見ていた。
ユナが来て「うん?あら?そんな所にいたの?リクとはどんな関係なの?」と笑って冷やかし始めた。
リノが「え?私は別に」とユナに返事を返すと、ユナは「モサモサしているとリクの事を誰かにとられちゃうよ」と耳元で囁いていた。
リノが「あなた誰?」とユナに聞いた。
ユナが「私がリクの妹だよ。でも、そんなにゆっくりしていたら他に彼女出来ていたりしてね」と笑ってその場を去って行った。
リノが「リク・・・。もし良かったら私達付き合わない?」と言うメールを送ったのだが、リクは「冗談だろう?俺はお前のことを、一つでも彼女だと思ったことはない。それは何故か分かる?」と言うメールが届いた。
リノが「そんなの分からないよ。でも、リクの彼女になれるなら、私は、今の関係が壊れてもいい」と言うメールを送った。
リクは「ごめん。俺は、そんなに恋愛が上手くないから、別れてしまうからリノの事幸せに出来ない」とメールを返した後、何も返って来なかった。
リノは何も言葉に出来ないまま、一夜を明かした。
そうして、リノは隣のクラスの辰徳と付き合うことになったのだが、辰徳が「いつも、僕の話のときだけ上の空だよね?そんなに嫌なら、僕と付き合わなくていいよ」と言う冷たい返事が返ってきた。
リノは、苦し紛れに「何でリクは私と付き合ってくれないのだろう?」と頭がそればかり通り過ぎていく。
リノは「こうして、こうしてやる」とリクの顔を写真と共に火をつけ消していくが、気持ちがうやむやのまま笑う事も出来なかった。
ただ、ひたすらその場でリノの目から涙が零れていた。
リクは「ね?俺は、他に好きな人がいたけど、その女の子に今の関係を壊したくないって言われて、付き合う事が出来なくなった。あの時は、その女の子にも彼氏が居た」と言うメールが届いた。
リクが「リノとこうやって楽しく話していた時のほうが楽しくて忘れられない。今の関係を壊してまで付き合いたくはない。本当にごめんなさい。幸せになってね」と言う言葉が何故か切なく目に焼き付いていた。
リノは「それでも、私忘れられるまでリクの事を想って居ていいかな?」と言うメールを最後に送った。
リクは「それなら良いよ。でも、俺もこの先どう言う道に進もうとも2人はずっと友達として仲良くしていたい気持ちは変わらないから」と言うメールをリノに送った。
リノは「ありがとう」と言う言葉の中で、嬉し涙を流していた。
あなたの隣 影山 みはつ @mihatsu1865
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます