変わらない生活

火鳥明日香

1章

街中が起き始める時間、始発列車の音が微かに聞こえる。

昨日と同じような今日が始まる、特急停車駅の朝は相変わらず人の熱気でうだるほど蒸し暑くて、この波を乗り越え羅れる気がしなくてため息が出る。

人の波に身を任せ勤め先へ向かう。

最近はあまり仕事以外で人間と会話しない日が何かと多い。

私は大学ではそれなりに友人も何人かいたし何度か交際もしたことさえある。

新卒から新聞社に入社して人生薔薇色だと思っていたのに今では大学の友人から連絡が頻繁に来ることもない、来るとしても定期的に開催される同窓会の連絡だけだ。

特に趣味もないし会社と家の往復だけでかれこれ16年だ。

つまらない人生だがいつか大きな転機が起きれば良いと思いながらまた往復の生活が定年まで続くんだろう。


終わり。

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