第17話

「……え?」

「あなたは、エスポールに奴隷船稼業をやめさせるため。わたしはただ一目会うため」

「え、え? いや、あ……」



 プレヌリュヌはにっこり微笑んだ。

「いっしょに探しましょう。パリのどこかに彼はいるはずなの」

 ぱくぱくと口を動かす恩人を見つめるアップルグリーンの瞳と、弧を描く薄紅の唇。それは奇しくも、花の都にふさわしい笑み。 



 馬車のさきには白亜の壮大な門。

 英雄の像に囲まれた栄えある凱旋門が顔を覗かせていた。

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