第41話

「ありがとうございます! 助かりました!」

 がばっと頭を下げると、司書さんはいいえと優しく笑いました。

「どうぞ、ごゆっくりお過ごしくださいね」



 まるで仏様ででもあるかのように、頭を下げたまま司書さんを見送ると、わたしはようやく頭を上げました。

 新聞社は空欄で、発行年数は十三年前の年数を、そして、キーワードに、『栞の園』と打ち込み、「検索」のボタンをクリックしました。

 数件の新聞記事がヒットしたようです。

 ところが。



 そのうちの一つの詳細を見ることが、すぐにはわたしはできませんでした。



 並んでいる、タイトル。

 それを見ただけで、全身が雷に打たれたかのように動かなくなったのです。

 マウスを持つ手が、かたかたと、震えました。

 トップにある見出しにはこうありました。



『栞海岸十三才児童殺人未遂事件』。

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