本作品は、失われた愛と別れの痛みを美しく描いた叙情詩的な小説です。「あなた」への思いを綴る手紙形式で、出会いから別れまでの感情の機微を繊細に表現しています。相手のために自分の感情を押し殺し、笑顔で見送る姿は、愛する人の幸せを何よりも願う心を感じました。例えば、「死の間際まで あなたの幸を願うでしょう」という一節などです。愛の儚さと永遠性、喜びと悲しみ、これらの相反する感情が共存する人間の心の複雑さを見事に描き出した、心に染み入る作品でオススメです。