第8話
「リム、」
また後ろで声がする。
部隊配給の、黒地の裏裾に"R"が掘られたタイを首に掛けたまま振り返ると、そこにはまだ幼い姫が不安を紅に隠して立っていた。
俺は床に、片膝をつく。
「何?」
「いつかリムも、私のことを忘れるときがくるんじゃないかな」
「来ないよ」
「わからない、もん」
「来ないよ」
「本当?」
「ああ」
そう頷いた俺の髪に彼女は触れて、俺はそれに身体を任せて、今度は彼女からの額のキスを受けた。
AFTER WORD 鳴神ハルコ @nalgamihalco
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。AFTER WORDの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます