第2話 マジで?~そういう趣味?~

 メニューなんて見なくても覚えてるけど、今日はチラチラと上目遣いで朝倉くんの顔を見ながら

「どれにしようかな」

 なんて、時間をかけて。

ニコリと微笑んで注文するけど、朝倉くんはいつもと分からず、爽やかな笑みで普通に対応。


 あれ?なんで?レジ台を挟んで向き合ってるとは言え、ショーツはともかく、

ブラは透けて見えてるよね。

 しかも、そのブラだって透け感ありなんだからさー。


 透けてるって言っても黒ワンピに紫の下着だから透けているのは、ガン見しないと分かんないかもだけど。

 ねぇ、朝倉くん。

ガン見できるよ。

ガン見していいんだよ。


 どうして視てくれないの?

ううっ……。

 頑張って、朝倉くんのために選んで着た服と下着なのに。


 会計を済ませ番号札を持って、トボトボ奥の空席に座って。

待っている間にも、キビキビとした動きで働く朝倉くんの姿を視線で追いかける。

 朝倉くんがトレイにオーダーを並べ置き、フロアに出てくると席まで持ってきてくれて、やったーと頬が緩むけど、ここぞとばかりに、あはん、とセクシーポーズを取ってみたり。

 仕草で『昨日とは違うでしょ?可愛いでしょ?』アピール。


 と、丁寧にトレイをテーブルに置くと、ポーズを取っている私の顔から胸元、透けているショーツへと順番に視線が刺さってくる。

背中が軽くゾクっとしたのは内緒。


 視線が顔に戻ってきて、照れくさそうな表情を浮かべて私を見つめ

「可愛いっていうか、色っぽいね」

 そんな言葉を照れたように言ってくるのも、『可愛いっ!』と、思ってキュンとトキメてしてしまう。


 そっか、そっか。

照れていたから、レジでは何も言わなかったんだぁ。

と納得して、ニヤけてしまいそうになる顔を我慢し、『でしょ?』と、ばかりにニコリと微笑む。


 キミの為に着て来たんだからね。

とは言わなかったけど。

 でも、『可愛い』とか『色っぽい』とか、朝倉くんから言われると嬉しくて。

せっかくだし、ニコニコしながら朝倉くんの顔を見ながら、足を開いてサービス。

 ショーツが透けではなく、直接見えるようにね。


 ぁぁんっ。

朝倉くんの視線を感じて、太腿が勝手にモゾモゾ動き出しちゃってる。

 だけど、朝倉くんのその表情は何だか、『オレの好みじゃないけど』って前置きがあるような表情をしていて……。


 脚を開いてショーツを見せる女の子って、はしたないとか思う派なのかな?

それとも、大人っぽいのじゃなくて、可愛い系のショーツが好みとか?

 清楚系とか?

前々から思ってたけど、服の好みとか分からないんだよね。

色々と試してみたつもりだけど。



 なんて色々と考えていると、

エプロンのポケットから、ペンを取り出して、紙にサラサラと何かを書き、

そして私に見せてきた。


「なんでパンツとブラを着けてるの? バイト21時までだけど、裏口でどう?」


 ええっ!?

何でと言われても……みんな下着は着けてるよね。

 私が固まってしまった。

ショーツの好み云々ではなく、そもそもショーツは不要と?

朝倉くんの好みは、はしたないとかを通り越していると?


 いやいや、今だって、周囲からチラチラと私の自慢の下着を

視られているのに、それは要らないでしょ?って……。

 どんな羞恥プレイですかっー!


 即答なんて出来るわけない。

できっこないし。

 開いた脚をそっと閉じて、朝倉くんの顔を見ている私は、どんな顔をしているんだろう?


 分かっているのは、私の顔が火照っているだけ。

顔を赤くしているのは分かるけど、ほら、赤く染めるのにも色々とあるでしょ?

 それに、どんな目で見てたんだろう?

目は口より雄弁って言うよね。

 気になる。けど、聞けない。


 私の返事なんて気にしてないように、レジに戻って行く背中を見つめる。

途中、朝倉くんと視線が合うと、バッって慌てて俯いて、ポテトを口の中に放り込み、紅茶で流し込む。


 テーブルに置いてあるスマホを手に取って時間を確認すると

20時55分。

 ううっ……時間が無い。

返事してないけど。

って、どう返事するかも決めてないけど。

 あれから朝倉くんと、話す機会もないし、視線も合わないし。


 そもそも『21時に裏口で』どういう意味?

ただの冗談?

 あたしを揶揄ってるだけ?

とりあえず、このまま21時になったら、裏口に来てっていう意味じゃないよね。


 21時に裏口に来てもいいけど、その場合はショーツとブラは脱いでおいてね。

って意味だよね。

 ビッグチャンスなのは確かだけど、朝倉くん。

ハードル上げすぎじゃない?




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負けず嫌いなギャルが、 いつの間にかノーパンノーブラ露出プレイをするはめに ふー @nakofu

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