読了後、吐いた一息が重い。それは他でもなく、この作品の世界に引き込まれた証拠なのだと思います。果たしてこの結末がハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか。きっと、そんな安易な二択で定義されて良い作品では無いのでしょう。愛とは何か、何故それを求めるのか。主人公が世界をどう見て、どう味わって、どう考えて生きたのか。まるで流れる濁流のように、巧みな表現で読者を惹き込んでいきます。是非是非、御一読あれ。