エピローグ

第11話

36歳のわたしは横浜にきてます。


関東平野で暮らしているわたしは

海を見たくなり車を飛ばした。


季節は秋で紅葉がキレイな時期だった。


中華街を歩き、赤レンガでパンケーキを食べ

山下公園で海を眺めていた。


山下公園には

たくさんのベンチが用意されている。

その幾つものベンチに

見覚えのある顔をみた。


手にブラックコーヒーを持っていた。

間違いなく神永先生だった。


わたしに気がついたのか

ベンチから立ちあがり


" 言ったでしょ。未来は明るいって

 よくここまで頑張ったね"


距離は離れていたから

声はかすかにしか聞こえなかったけど

口の動きでわかった。


『ありがとう、せんせい。

 わたし先生のこと忘れないよ、大好きだから。』


神永先生はきっとお気に入りの

横浜の海を見に来ていたのだろう。


先生に叫んだわたし右手には

ブラックコーヒーではなく

3歳の子どもの手が握られていた。


未来が明るいと確信していた先生は

こうなることを知っていたのかもしれない。


先生は未来を生きていて病院にいた数ヶ月間は

5年前にタイムスリップしたのではないだろうか?


わたしが自分に自信がついたのを機に

未来へ戻ってしまったのではないか?


もしかしたら、金倉先生も未来の協力者だとしたら..。

たった1人しか先生を憶えていなかったことに

理由がつくだろう。


現在いまなっては

真実をつきとめることはできない。

けど。あの日があったから

いまの月島つきしま双華がいる。


またこの海で神永先生に

会えることを楽しみにしてます。

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ブラックコーヒー @Starligh

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