低気圧と僕の体調

白鷺(楓賢)

本編

雨の日が来ると、僕の体は反応してしまう。気持ちもどんどん沈んでいき、体が鉛のように重くなるのがわかる。晴れている日なら難なくこなせることも、雨の日になると何も手につかなくなる。気力が急激に失われ、ただじっとしているしかない。どうしてこんなに天気に振り回されるんだろうと、何度も思ったことがある。


僕は気圧の変化にとても敏感で、特に低気圧の影響を強く受けるタイプだ。雨が降り始める前や、台風が近づくとき、体がそれを先に感じ取る。ひどいときには、頭痛が襲ってきたり、倦怠感で何もできなくなったりすることがある。この体調不良は、ただの疲れや風邪とは違って、外から見ただけでは分かりにくい。だからこそ、周りの人に理解してもらうのが難しい。


飛行機に乗るときも、気圧の変化でしんどくなることがある。耳が痛くなったり、頭がぼーっとしてきたり、体全体が重く感じる。普通に過ごせるはずの状況でも、僕の体は周りの環境に敏感に反応してしまうのだ。


このしんどさは、体がただ疲れているというよりも、何か重い物が心に覆いかぶさってくるような感じだ。頭痛も重く、じわじわと襲ってきて、薬を飲んでもなかなか治らないことも多い。最悪の場合、仕事を休まなければならなくなることもある。職場ではその理由を説明するのが難しくて、ただ「体調が悪い」とだけ伝えるけれど、本当はそれ以上にしんどさを感じていることを誰かに理解してもらいたいと思うこともある。


さらに、気圧だけでなく、季節の変わり目も僕にとっては試練だ。特に春から夏、夏から秋へと移り変わる時期には、体調の変化が大きくなる。気温や湿度の変化が体に響いて、だるさや倦怠感がより一層強くなる。服装を変えるタイミングや、急な温度差にも敏感で、季節の変わり目は常に警戒が必要だ。


気圧や気候の影響は、外見からは分かりにくいため、周囲に説明するのが難しい。たとえば、晴れている日には元気そうに見えるからこそ、雨の日に体調が悪いと言ってもピンとこない人も多いだろう。けれど、僕にとってはこれが現実であり、日々の生活を左右する大きな要因なのだ。


どうやってこの体調の波と向き合っていくのか。それが、僕の課題だ。無理をせず、自分のペースで過ごすことが大切だと、最近になってようやく理解できるようになった。無理に頑張るのではなく、少しでも楽に過ごせる方法を見つけること。そうすることで、低気圧や気候の変化にも、少しずつ対応できるようになっていくのかもしれない。

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