第4話 ごめんね
瑞歩は、がっかりした様子で勿忘草の場所から離れて行った。
瑞歩の寂しそうな後ろ姿を夏希は見ていた。
瑞歩は、涙を流し目が赤くなりながら家に帰ってきた。
瑞歩の母の幸恵が「どうしたの?」と声を掛けたが、瑞歩は「何でもないよ。ごめんなさい」と返事を返した。
幸恵は「どうしたのかしら?」と凄く心配をしていた。
瑞歩は、学校に行って、夏希と会い「昨日は、ごめんね。あの時は私もひどいことをしたと思っているよ」と反省していた。
瑞歩は「でも、勿忘草は戻らないでしょう?」と少し寂しそうにしていた。
夏希が「私が何とか勿忘草を、新しく買ってきて植えるよ」と話し掛けた。
瑞歩は、酷くがっかりしていた。
学校が終わって、夏希の姿が見えなくなっていた。
勿忘草を公園に行って、夏希は鎌(かま)を持って勿忘草を狩り、新しく勿忘草の芽を植え付けていく。
どんどん公園の勿忘草を植え付ける作業が終わり、夏希が「ふー、暑いな」と汗を拭いていた。
瑞歩が公園の所を通りかかると、瑞歩が「あれ?何をしているの?」と話し掛けた。
夏希が「今、勿忘草を新しく植え付けたんだ。どうかな?水を与えてあげてくれる?」と瑞歩に頼んだ。
公園の蛇口で水を汲み、じょうろで水を上げた。
瑞歩は「私の為にありがとう。夏希」とお礼を述べて、夏希が「良いんだよ。元はと言えば、私がやったことだしさ」と笑顔で話しかけた。
瑞歩は「ありがとう、夏希。私もう勿忘草が駄目になって、また新しく勿忘草を見られないかなって思っていたの」と声を掛けた。
夏希は「こう見ると植物の尊さや、可愛らしさがあるね?綺麗だ」と植物を慈しむ気持ちが芽生えていた。
次の3月には勿忘草が咲いていた。
毎日瑞歩や、夏希が公園で水をやっていたので、咲くようになっていた。
夏希が「うわー。なんか青くて幻想的で綺麗」と嬉しそうな顔をしていた。
瑞歩が「ふふふ、これもまた勿忘草を見られているのも夏希のおかげだね」と楽しそうに話をしていた。
また勿忘草が光り、リリベルやチャペル、ベルベもやってくるのが夏希にも見えた。
夏希が「本当に妖精って居るんだね」と嬉しそうにしていた。
ベルベが「ゴホン、お主が勿忘草を治してくれたのか?わしらは助かった」と夏希にお礼を述べた。
リリベルは「良かった。これで仲直りね」と嬉しそうに夏希と瑞歩を見ていた。
チャペルが「あの時はどうなることかと思ったけど、助かったわ。ありがとう」と夏希にお礼を述べた。
夏希は「どうも、ありがとうございます。こうやって妖精と話せて光栄です」と丁寧にお辞儀をした。
そして勿忘草は、夏希と瑞歩でこれからも大切に育てて行ったのだった。
勿忘草 影山 みはつ @mihatsu1865
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