第26話

─── フワッ


リクトくんは涙を流す私を見て、子どもをあやすかのように優しく包み込んでくれた。



「リクトくん、女遊びはもうしないでね」


「もうお前しか興味ねぇよ」



泣きながら震える声で伝えた私の気持ちをリクトくんは必死に受け止めてくれた。



「お前こそ、ホイホイ他の男について行くなよ」


「私はリクトくんだけだから!」


「…うん、信じてるよ」



リクトくんは満足そうな顔をしながら私の頭を優しく撫でてくれた。


そして……



「俺もお前だけだよ、リヨ」


「え?」


「ひとりごと」



私には聞き取れなかったけどその分、リクトくんの抱きしめる力は強まった。



気になる彼から好きなアナタに変わる瞬間。


片想いから “両想い” に変わる瞬間。


私はこの先も、この一瞬一瞬を大切にしていくだろう。



不器用な… 恋だけど。

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不器用な恋だけど。 憐 袮 🌙*.。 @kokone812

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