第10話 和歌
鈴が「和歌、和歌」と優しい鈴の顔が見えたと思ったら、圭祐だった。
和歌が「何だ。お母さんじゃなかったんだ。圭祐か」と驚いていた。
圭祐が「何だは、無いだろう。僕が居なきゃ、何も出来ないくせに」と横目で和歌を睨んだ。
和歌は「分かったわよ。圭祐」と圭祐に返事を返した。
和歌は、ボーっとしながらもご飯を食べ終えて、いつの間にか会社の門に向かって行った。
会社の砂川 仁が「鳥山さん。遅かったですね?」と和歌に返事をした。
和歌が「え?砂川さん。私は今日寝坊しちゃったから、中々仕事が進まないんだよね」と仁に愚痴をこぼした。
社長の原田が「何だ?お前達。そんな所でぼさぼさしてないで、さっさと仕事をやれ」ときつく注意をして来た。
和歌が「すみません。私もさっき来たばかりで準備をして居なかったもので、今からやります」と原田に声を掛けた。
原田が「どうしようもない奴らだな。もっと仕事をテキパキできないのか」と和歌達にキツク話し掛けた。
休み時間にコーヒーを、和歌は淹れた。
仁が「あ、俺もコーヒーを飲むかな」と和歌が持って居たコーヒーポットを持って、コーヒーを淹れた。
仁が「あの社長きつくないですか?あんまり、良い印象は持てないですよね?」と和歌に話し掛けた。
和歌は「うん、まーね。でも、この会社を盛り立てる訳だから仕方ないとは思うけど、社長の言う事を訊かないと辞めさせられる気がするわね」と発言した。
仁が原田に「お前が居るから、会社が乱れるんだ。辞めるなら辞めて貰って良いからな」とタバコを吸いながら、仁が怒られていた。
和歌が「そんな事を言わないで下さい。もし、砂川さんが辞めるなら私も辞めます」と辞表をテーブルの上に出した。
仁が「そんな良いんですか?この会社に入って、暫く経つじゃないですか?」と和歌に伝えた。
和歌が「仁さん、良いのよ。私は、この会社にもう未練はないし、仁さんと仕事が出来なくちゃ、私こそ張り合いがなくてつまらないわ」と仁に気持ちを伝えると、仁が「そっか。鳥山さんじゃなくて、和歌さんって呼んでいいですか?和歌さんと一緒に仕事をして居た方が俺も張り合い合って良いですね」と笑顔で答えた。
和歌が「じゃ、一緒にご飯食べに行きましょう」と仁に声を掛けて居酒屋 かもめにお酒を飲みに行った。
仁が「あの、社長はきつかったし、やっぱり仕事を辞めて良かったかもな」と酒を飲みながら、やけになって話をして居た。
和歌が「そうねー。仁さん」と話をしながら、酔いつぶれた2人はホテルで一緒に眠った。
朝を迎えて、和歌は「あれ?此処は何処だろう?」と起きた時には、日の光がカーテンから零れ落ちていた。
圭祐が「今何処に居るんだ?まぁ、野暮なことは聞かないけど」と携帯からメールを送って来ていた。
和歌が「あのね?会社の同僚の男性 仁さんと今一緒にホテルで寝ているの」とメールに返事を返した。
仁が「あ、すみません。僕は、この辺で帰ります。もし良ければ、これ一緒に映画を見に行きませんか?」と映画のチケットを渡した。
和歌は「ありがとう。じゃ、私も映画を見に行こうかな」と楽しそうにして居た。
この後、仁と和歌が映画を見て、その後20年経って、映画館の前で記念写真を撮った笑顔で映る2人の写真が古くなっていた。
もう、おじいちゃん、おばあちゃんになった2人の記憶の中に(アルバムの中に)ずっとずっと生き続けている。
みち行くなぎさ 影山 みはつ @mihatsu1865
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます