チーム!

みずき

第1話

「おはよ〜」

盛大にあくびをしながら、階下に降りる。

シーン。

見事に無人だ。きっと雨音あおはまだグースカ寝ているのだろう。

私・岡実奈おかみなは、この春、中学一年生になった。

第一志望だった私立の清水学園に親友の篠谷雨音しのやあおと一緒に受かり、一緒に入学した。

そして、お母さんたちのアイデアで、二人だけで住むことになった。

普通に生活費も多すぎるくらい両親から支給されるし、家も広く、楽しい。

しかし、だ。

問題がある。私と雨音は、二人とも超がつくほどの不器用なのだ。

だから、毎日家事に苦戦している。

そして、雨音はなかなか朝起きない。

起きたとしても、お眠のようで、めちゃくちゃ赤ちゃんみたいな感じで、役に立たないのだ。

だから、朝は私一人でなんとかしている。

それにしても、本当にこの家は広いなぁ。

二人どころか、十人ぐらいで住めそうだ。

カップ麺にお湯を注ぎながら、そう思った。

カップ麺ができるまでの三分の間、雨音を起こしにいく。

トントンと、微かな音を立てながら、階段を上がる。

そして、雨音の部屋のドアを、思いっきり開けた。

「雨音〜‼︎起きろ!」

そう叫ぶも、眠りの深い我が友である雨音さんはやっぱり起きない。

しかし、必勝法がある。

雨音は、耳が弱いのだ。

耳元で、「雨音起きろ」と囁く。

すると、

「ふわぁ〜」

と、いかにも漫画に出て来そうなあくびをしながら、我が友・篠谷雨音が起きた。

ぽわぽわした寝起きの雨音はそのまま階段を降り、洗面所に入った。

今日は珍しく目が覚めるのがはやいな。

雨音と朝ごはんを一緒に食べる。

そして制服に着替え、家を出た。

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