第43話

ドキドキして苦しくて、恥ずかしいけど、キライなわけない。



「好き…です」



「そっか。じゃあもう我慢するの止める」



彼がホッとした様子で言葉にした。



ずっと気になっていた理由をやっと聞かせてくれるんだろうか?



「我慢?」



呟いた私の耳元で彼は囁くように、その理由を口にした。








「こんなふうに抱きしめたり、雛の可愛い声を聞くこと」




吐息交じりで囁かれた声に、私はまた甘い声を出す羽目になってしまって、



慌てて口を両手で押さえたけれど、間に合うはずもなく。



そんな私の様子を楽しそうに笑った成くんには、やっぱり少しは我慢してもらいたいと



心底願わずにはおれなかった。








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いちねん目の記念日【完】 真弥 @09013562894

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