思案中の王道ファンタジーのプロット

夢咲蕾花

プロット

★第1章


 前世ではありがちな善人として生き、それでも運と環境に恵まれず孤独なまま眠るように死んだ柏崎春也は、その善良な精神が認められ、死後聞いたこともない謎の女神ステラミラの元に召し上げられる。彼女の好意で、ハルという新たに生まれた子供の魂として宿ることを伝えられ、春也は女神に抱きしめられ、それまでの人生を労われて玄慈界(ミュステリウム)の地に降り立つ。


 ハルの命に春也の魂が宿って十九年後。


 自らを育ててくれた師父・ゴルツとの死別。彼は死に際ハルが知りたがっていた己の出自の秘密が、ハルを拾ったシンカ村にあると言って息を引き取る。


 ハルはゴルツの財産と相棒のブルーラバーン・フレイスと共に旅立つ。道中爪牙族(ユキヒョウ系のメスケモ)の行き倒れの神官であるベルナ・スカイハートを助け、シンカ村に寄ったついでに城都ラスティアスまでの護衛を行うと約束する(その見返りの報酬も約束する)。

 くだんのシンカ村でハルは神竜モールケの石像を祀った祠で、神竜像の四つの目のうちの上右目に嵌っていた黒紫色の宝珠を手に入れる。するとそこに男たちが現れ、その中から落ち着いた風貌の美男子――夜の王を名乗る男が現れ宝珠を、野望のために寄越せと言い寄ってくる。その振る舞いから只事ではない野望だと見抜いたハルたちは遁走。その場から離脱し、城都街道へ逃げ延びる。


 城都街道を北東に行った彼らは翌日、城都ラスティアスの道中にある町、ランケル町にたどり着く。ステラ・ランケル教会までベルナを送り届けたハルは司祭から報酬を受け取るが、そこで司祭はベルナに巡礼の旅を勧める。そしてその道連れにはハルがいいだろうと勝手なことを言い出す始末。

 ハルは己の出自を探す目的があると告げ、司祭はならばステラミラ様のお導きを得るべきだとベルナとの同道を勧める。埒が開かないと思ったハルは仕方なくその提案を受け入れた(その時は途中の教会で適当に別れようとか思っていた)。


 とにかくゆっくり休みたかったハルはベルナが荷造りをする間宿を取り、逗留。その宿で余所者は帰れという連中に絡まれ、喧嘩を売られる。三対一の喧嘩の中、オーガ族の男に助けられる。

 オーガ族の男――クェスは酒代に困っており、ハルにたかってきた。しかし助けられた手前無視はできず、奢ってやることにするのだった。

 酒を飲みながらハルは拾った宝珠を眺める。クェスはそれを竜眼のオーブだなと看破した。

 竜眼のオーブとは竜の死後、もしくは力を捨て去る際その瞳に魔力が宿って生成される呪具であり、膨大な力と価値を秘めるのだという。どこでそれを手に入れたと真剣な様子で聞いてくるクェスに、ハルは抱え込んでいても仕方ないと素直に話すのだった。

 クェスはきな臭いな、と呟き、ハルの旅に同行させて欲しいと頼んでくる。彼は竜眼のオーブ――というよりはそれを悪用しようと目論む連中が気になるようで、ハルも断る理由はないしベルナもついてくるので、もう一人増えたところでと同行を許可するのだった(クェスは元騎士で、それ故の正義感と知識だった)。


 翌朝、宿の部屋に集ったベルナとクェス。突然仲間に加わったオーガ族にベルナは素直な警戒を見せつつ、経緯を説明して状況を理解させる。

 第一目標はハルの出自の謎を解き明かすこと。そしてそれはゴルツが向かわせたシンカ村で手に入れた竜眼のオーブが無関係とは思えず、彼らは竜神殿に向かい竜に直接話を聞くことにする。第二目標は道中の村などで巡礼を行うこと。それはベルナの目的だった。そしてクェスは旅の傭兵らしく、その日の糧さえ得られればいいと享楽的な理由でついてくるという。

 一行は旅に必要な物資を買い込み、その翌日に旅立つ。



第2章



 竜神殿は城都ラスティアスにある。一行はラスティアスを目指しさらに南東に進路を取る。道中彼らは山越えのルートに差し掛かるが、山道は直近で起きた崖崩れで道が塞がれていた。

 ハルたちは山中に刳り抜かれている坑道を通って反対側に抜けるプランを立て、鉱山町エスタスの鉱山長・ハドバルに掛け合うが相手をしてもらえない。困り果てた彼らだったが、そのとき鉱山に鐘の音が響く。男たちがツルハシを片手に臨戦体制を取る中、鉱山から現れたのは凶獣たち。

 ハルたちはその凶獣撃破に加勢し、猛攻を凌ぎ切る。

 鉱山長はハルたちへの認識を改め事情を説明する。一ヶ月ほど前から坑道で凶獣が湧き、仕事にならないこと。時折ああして町に出てきては厄介をもたらすこと。

 それを聞いてハルたちは凶獣の親玉を倒すことを条件に、交通ルートを使わせてもらえないかと交渉する。鉱山長は許可を出し、彼らは早速鉱山へ入っていく。


 坑道に救う凶獣――モンタドやスラックトパスを撃破していき、奥へ進む一行。現れたのは一際巨大な苗床化スラックトパスだった。モンタドを取り込んで搾精し、大量の凶獣を生んでいた。

 ハルたちは激闘の末これを打ち倒し(激闘の中ハルはモールケのオーブの力を使い、闇の魔法を放つ)、坑道の安全を取り戻す。しかし一体なぜこのようなことが起きたのかは皆目見当がつかず、彼らは町に帰還する。

 討伐完了の報告に湧きたつ炭鉱町。ハルたちはなるべく小さな凶獣でも駆除するように言い含め、彼らの手厚い歓待を受けて一夜を過ごすのだった。


 翌朝鉱山町エスタスを出立して坑道内を進む一行。その最中夜の王とその手下に待ち伏せされる。彼らは執拗に竜眼のオーブを寄越せと迫り、ハルはそれを拒否。夜の王たちは実力行使に出る。ハルたちは風が通る方向に向かって走りながら夜の王の追撃を逃れ、坑道内の広場に出る。

 そこで夜の王は自らが手にしていた竜眼のオーブを使い攻撃を仕掛けてくる。三人はその猛攻を掻い潜り、ベルナの法力矢で夜の王が怯んだ隙にハルが闇の魔力を纏った斬撃で竜眼のオーブを破壊する。気を失った夜の王に戦意はないと判断し、ハルたちは彼を捨ておき出口に向かうのだった。


 夜の王の襲撃から数時間後、野宿の用意をする一行。近隣の幻獣を狩ってフレイスとクェスのブルーラバーン――エナの腹を満たした一行は、食事を摂り睡眠の運びとなる。交代で夜の見張りをして一夜を明け、彼らは荷物を片付けで出立する。

 それから半日歩いて昼になる頃に城都ラスティアスに辿り着く。

 早速竜神殿で謁見の申し込みをする一行。竜神官の女から会う理由を聞かれた際に竜眼のオーブを見せた彼らは竜神官の女に驚かれ、ちょっとした騒ぎになる。彼女は翌朝十時にここへくるように言い、申し込み用紙を持っていってしまうのだった。

 その日は宿をとって休息し、翌朝十時に竜神殿に向かった一行。


 そこでリュースの子孫であるというリューセンデと謁見する。彼に竜眼のオーブを手に入れた経緯を話し、ハルはこのハルという存在の出自を知りたいという目的を話す。リューセンデはハルを転生者と見抜いたそぶりをかすかに見せつつ、そのためにはモールケ自身に会うのが手っ取り早いと語る。

 モールケは王国北東部の竜神殿――ステラ・メルミナント教会を擁するメルミナント町に存在すると言われ、一行はここで疲れを癒したのち再び出立することになる。

 その日の夕刻、クェスが酒場で飲んでいると美しい吸血鬼の女が近づいてくる。魔族と総称される彼女が都にいるのは珍しいと思いながらも酌をしてもらい、ロゼッタと名乗ったその女から「城王に気をつけなさい」と忠告を受けるのだった。

 その頃旅の道具を買っていたハルとベルナの元に城王の使いが現れ、今夜夜会に出席してほしいと頼まれる――。


 夜会が開かれる夜になり、ハルたちは着替えなんて持っておらず手持ち無沙汰なまま会場へ訪れる。すぐに騎士に呼び止められるが、使いの女――ハルたちに会いにきた男ではなくロゼッタ――が現れ、奥の部屋で着替えさせられる。そしてその時に、ひとまずは主催者の言う通りにしてほしいと言われる。クェスは飲み過ぎでダウンしたと言って、ハルとベルナに任せてサボっていた(実際はそこまで飲んでおらず給仕として参加している)。

 主催者のゴドリック・オルグレンによってハルは名指しで呼ばれ、彼こそが竜に選ばれし者、という大仰なセリフを言われる。ハルは意味がわからなかったが、恐らくは竜眼のオーブを持っていることが知られたのだろうと察し、警戒を強める。

 そしてゴドリックは巧みな弁舌で若者が過ぎたる力を持つべきではないと言い始め、竜眼のオーブを剥奪しようとしてくる。給仕に扮したクェスが近づき、ハルからオーブを預かる。そして高まった熱が冷めた頃、ゴドリックは消えていた。そしてすぐにロゼッタが現れ、今すぐ装備に着替えて離れなさい、やつらはクェスがグルだと気づけば手段を問わないと言い、ハルたちの脱走を助ける。

 一行はすぐにロゼッタの息がかかった連中に手伝われながら装備を整え、フレイスとエナと合流。クェスからオーブを返してもらい、屋敷を飛び出す。

 背後から迫る手勢を振り払いながら、ロゼッタが手を回して下ろさせていた跳ね橋を渡り、城都から抜け出す。

 なぜロゼッタはハルたちを手助けするのか――その理由は、リューゼンデによるお告げであると答えられたのだった。

 城都を脱走した一行はリューセンデが告げた通りにモールケに会うため、一路メルミナント町を目指す。



:モールケが告げる内容はこの世に第二の黒竜が現れるという事実

:第二の黒竜が善となるか悪となるかは不明

:いずれにしても神竜のオーブを無法状態にしておくのは危険であること

:モールケのオーブは現在ハルが持っているから、残る六つを回収して欲しいと告げられる

:それを聞いていた夜の王のスパイが夜の王一派に告げ口し、彼らとの争奪戦になる

:オーブを巡る戦いでそれぞれの土地でストーリーが展開。のちのラストバトルで関わり手助けしてきた彼らが恩返しに加勢してくれる熱い展開を作る。

:ラストバトルは魔城マギアが舞台。黒竜の生まれ変わりであるハルは、同じ過ちを犯さないために黒竜のオーブを奪った夜の王ネメアを打破すべく仲間を率いて激闘を繰り広げる。

:最終的にハルは黒竜のオーブを破壊。黒竜の生まれ変わりであるハルだからこそそれを破壊することができた。いわば己と対になるオーブを破壊したわけだが、七神竜の加護でハルの力(生命力)は失われなかった。

:途中でオーブを全て奪われる展開も入れる。それを取り戻すキーとなるのが、敵組織にいた夜の王一派の離反者(元々はハルたちの中にスパイとして紛れ込んでいたが、共に過ごすうちに心が芽生え共にいたいと願うようになった)。

 その離反者のおかげでオーブを取り戻すも、黒竜のオーブが敵の手に渡るという展開。





 異世界転生にする意味はあるのか? という疑問が大いに湧く。

 ここに関してはカットしてもいいかもしれない。転生自体に明確な意味合いを企図できないのであれば、食傷気味の擦られ続けるネタにあえて擦っていく必要はない。


 現地主人公の、ゲーム的要素のない王道ファンタジーとして描くだけで充分なプロットであるように思う(敵が前世から怨恨のある相手とかなら別だが、特にそういった過去自体もない)


 読者ターゲット層は、30代前後。とはいえそのあたりはなろう系が刺さりそうだが、正直数を目標にすると俺の心の平穏を維持できないのでそこは度外視。同好の士に楽しんで貰えばいい、あくまで自分が楽しむ姿勢を貫く。


 現状約二万文字。転生部分をカットしたら、おそらく16000文字になると思われる。

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