私、メリーさんなの! 私――の家に行くね!!
ある日の夜のこと。
自室にて、椅子に座っている
悟志は恐る恐る電話に出てみた。
『私、メリーさんなの。今、あなたの街にいるの』
「め、メリーさん?」
メリーさんって、あの有名なホラー話に登場するメリーさんか?
悟志は心臓の鼓動を高めつつ、スマホ画面の方を下にするように机に置いた。
すると、また電話がかかってくる。
『私、メリーさんなの。あなたの家の近くにいるの』
悟志はドキッとし、椅子から立ち上がる。
閉めていたカーテンを開け、窓の外を確認した。
だ、誰もいないよな……。
悟志は焦り、再びスマホ画面を確認する。
がしかし、非通知着信であり、誰からの連絡なのかもわからない。
また数秒後、電話がかかって来た。
『私、メリーさんなの。あなたの家の玄関にいるの。アレ……開かない』
「ん?」
スマホから聞こえてくる、その気の抜けた声に聞き覚えがあった。
悟志は二階の自室から出て、一階の玄関まで向かう。
玄関の鍵を解除し、扉を開けてみた。
玄関先に佇んでいたのは、悟志よりも一回り小さい女の子。
「ど、どうしてここまで来たの? 今、夜七時だよ」
「だって、お母さんが、お兄ちゃんの家で過ごせって。それで、この前スマホを買って貰ったの。ほら」
こよみは、ピンク色のスマホを見せてくる。
「それで、メリーさんの真似を」
「うん。今日からよろしくね! お兄ちゃん!」
「俺、全然、姉から聞いてなかったんだけどな。まあ、いいよ、入りなよ」
その日から悟志は、姉の子供であるこよみと共に数日間過ごすのだった。
学園系ラブコメの”ショートショート作品”集(SS作品)Season3 譲羽唯月 @UitukiSiranui
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