第9話 ふたりの卒業式(終)

年度末の3月中旬頃、この緑山小中学校の「合同卒業式」が行われた。

別れを惜しみ、号泣する在校生と教員。

当の卒業生ふたりは逆にニッコリ笑顔。


「卒業証書授与。卒業生代表、中学3年生・大館隼人おおだてはやとくん!」

「はいっ!」

校長先生から名前を呼ばれ、卒業生代表の大館くんが大きな声で返事をして壇上に上がる。

続けて校長先生が証書内容を読み上げ、「右の者は緑山中学校の全課程を修了したことを証する!令和○年3月、緑山中学校校長・千歳博一ちとせひろかず

「大館くん、北山さん卒業おめでとう!」


「小・中の9年間、この校舎で過ごした思い出は忘れません!いや、忘れることなんて出来ません!そして、このような素晴らしい式を用意していただきありがとうございます!また、この校舎に遊びに来るかもしれませんが、その時はよろしくお願いします!」

卒業生代表の大館くんの最後の挨拶で締めくくった。

(たぶん、最後のセリフは大館くんのアドリブ…だよね?)


卒業証書授与が終わった後、卒業生は卒業式定番の曲を歌って、在校生・教員は卒業生ふたりに贈るこれまた定番の曲を歌った。



そして、3月下旬におこなった在校生の修了式から数日後、教育委員会からの辞令でまた別の学校に異動することになった。

この学校には、たった一年間だけという短い間だったが、いろいろなことをここで知って、いろいろなことを教えてもらった。

本当にお世話になりました、ありがとうございました!


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田舎町の小中学校に来た! 小阪ノリタカ @noritaka1103

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