第15話
霧吹きでサボテンに水をやって、部屋を出てから、リビングダイニングに並んだ大量の家具を見て、私はため息を吐いた。
「ありゃ、いっぱい荷物、とどいたね。すごいね。あたしも一緒にがんばるね」
「叔父さんが勝手に買った」
「どうする?どれから開けるか」
チュンさんは箱の中が気になるようで色々勝手に空けそうだったために、止めて家事に戻ってもらった。
朝、仕事から戻ってきた叔父さんは疲労がある表情でその箱を眺めていた。
「どうするんですか」
「助っ人を呼んだから大丈夫。たぶん15時ぐらいにみんな集まるから。それまでの辛抱だよ。届いた荷物は片づけておいてね。叔父さん14時まで寝てるから」
そう言って叔父さんはお風呂へと向かった。
「私、外、散歩してくる」
「はーい、いってらっしゃいね。歌舞伎町のほういっちゃだめよ」
「うん、ちょっとコンビニまで歩いて来るだけだから」
タワマンの鍵と、財布とスマホを持って外へ出た。エレベーターを使うことに抵抗があり私は階段から降りて、いつも外へ出る。
単純明快な道しか歩いてこなかった私にとって都会の道路なんてほとんど迷路。だから私はスマホのナビを使って帰ったり、コンビニへ行ったりする。とはいってもおかしな人も多くて私は外に出た方がストレスが溜まるなんてこともあるかもしれない。
あそこにずっといても息が詰まるし、鬱々しくなるだけだし。
そんなところで、本当に小さな花屋さんが見えて、吸い込まれるようにして私はその中に入った。
植物の匂いに包まれて私は少しだけ安心した。
「いらっしゃいませ」
本当に小さな中で私は、鉢の中に入った小さな観葉植物があり、私はそれを手に取った。
「これください」
「はぁい。ちょっと待ってくださいね」
その観葉植物を持って私は叔父さんの家へと帰った。
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バッドバイ・メモリー @kotomi_25
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